酒場遺産 ▶144 立川駅南口 大衆酒場 ふじ 変わらぬ硬派の一杯
立川駅南口、線路沿いの路地を少し歩くと「大衆酒場 ふじ」の看板がある。1966(昭和41)年創業、半世紀以上にわたり、この地で営業を続けている老舗だ。立川の街は戦後、米軍基地(立川基地)と共に発展してきた歴史を持つが、北口と南口では性格が異…

立川駅南口、線路沿いの路地を少し歩くと「大衆酒場 ふじ」の看板がある。1966(昭和41)年創業、半世紀以上にわたり、この地で営業を続けている老舗だ。立川の街は戦後、米軍基地(立川基地)と共に発展してきた歴史を持つが、北口と南口では性格が異…
立川駅北口を出て中央線沿いに東へ数分歩くと、古風な店構えの「弁慶」がある。駅周辺にはチェーン店が多いが、ここは長く続いてきた老舗酒場である。女将に聞けば創業から70年近く経つという。 立川駅北口エリアは、かつては米軍立川基地の門前町であり、…
門前仲町「折原商店」は、この十年ほど、門前仲町を訪れると度々寄っている、お気に入りの立ち飲み屋だ。深川不動堂へと続く参道(人情深川ご利益通り)にあり、いつも昼間から日本酒好きで賑わっている。先日、久しぶりに日の高いうちにウォーキングの際に立…
久しぶりに門前仲町を訪れた。 富岡八幡宮や深川不動堂の門前町として栄えたこの界隈は、江戸時代から続く下町の風情が色濃く残っている。 かつては「辰巳の芸者」で知られた花街でもあり、寺社の参拝客と娯楽や食の文化が交差しながら発展してきた歴史を持…
広島での仕事もひと段落つき、かつて住んでいた牛田(うした)へ向かった。駅北口の目の前には、仏舎利塔の立つ山がそびえているが、ちょうどその裏のあたりが牛田である。強い日差しの中、20分ほど歩くと太田川沿いの道に出る。そこから少し山側に入った場…
1954年創業の、広島・大須賀町(エキニシ)の「酒蔵」を紹介したい。 先週取り上げた「岸本食堂」がエキニシの入口付近にあるのに対し、「酒蔵」は一番奥の角地に位置する。お好み焼き屋「ゆうゆう」や「大福」と並び、この界隈では長い歴史を持つ店の一…
この数年で広島駅南口は再開発がなされ、広島駅自体も2階の自由通路により南北が快適につながり、新駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業し、9階建ての商業施設・シネコン・ホテルなどから成る再開発ビルが竣工した。2階には路面電車(広島電鉄)が…
仕事の出張で広島についたのが19時近く。店に着いたのは閉店間近で、ギリギリで店に滑り込むことができた。1945年8月6日に焦土となった広島だが、「源蔵」のある広島駅から近い猿猴橋町には、自然発生的に闇市が形成されたという。そして終戦からわず…
「ディープな広島ならここ」と、広島出身の酒友に促されるまま、宿泊先のホテルから夜の平和大通り、袋町公園、八丁堀へと歩いた。辿り着いたのは薬研堀・流川エリアだ。そこに、年季の入った佇まいの鉄板焼き屋「中ちゃん」がある。昭和45(1970)年の…
高田馬場の酒場「清瀧」「とん八」「鳥やす」と紹介してきたが、今回は呑み処「いちだん」である。JR山手線西側のさかえ通りから早稲田通り沿いのガードをくぐり、すぐ左手の線路際の路地を入ると、坂の途中の「柳屋ビル」地階にこの酒場がある。「呑み処 …
先に立ち寄った店で「さかえ通りに良店なし」との評を聞いたが、実際に訪ねた「鳥やす 本店」は、決して悪くない一軒であった。さかえ通りの路地奥に佇む同店は、1967年(昭和42年)の創業である。木造2階建ての古風で重厚な建築は、いかにも老舗らし…
以前から気になっていた居酒屋「とん八」を訪ねた。高田馬場・さかえ通りから路地に入った場所に位置する、昭和の面影を色濃く残す、もつ焼き看板の酒場である。17時過ぎに暖簾をくぐったが、十数席のカウンターと小上がりからなる手狭な店内は、既に客でい…
仕事が思いのほか早く片付いたので、まだ陽の高いうちから高田馬場へと足を向けた。遡れば四十数年も前、この界隈の大学で建築を学んでいた若き日の僕は、同級の友人たちと「さかえ通り」周辺の酒場をうろついたものだ。記憶の中心にあるのが、さかえ通り「清…
先日、「アーバンマタギの会」という、食と酒と話を愉しむ会で、上野駅にほど近い蓮根専門店「上野れんこん」を訪ねた。未だ30年足らずの歴史ではあるが、現女将・宮内桂子氏の父(先代)がこの地で前身となる居酒屋を営んでおり、1998年に現在の三階建…
大正3年(1914年)創業、110年以上の歴史を誇る浅草「翁そば」は、古くから浅草の地で多くの人々に親しまれてきた蕎麦屋である。浅草の大通りから一本入った路地に面しており、本連載46話で紹介した「水口食堂」の隣である。現在の店は昭和25年(…
神保町で銀行に寄った帰りに裏道をぶらついた。「いちこう」という目立たぬおでん屋の看板を見つけた。普段歩いている道だが気づかなかったのだ。濃茶色の暖簾をくぐり、引き戸を開けると燻し銀の空間が現れた。右手に厨房と白木のカウンターがあり、白髪の常…
大学時代の先輩が設計した小さなオフィスと住宅の建築内覧会を見て回り、堀切菖蒲園駅へと帰る途中、住宅街の曲がりくねった路地にちょっと気になる居酒屋を見つけた。「ふつ子」とは女将の名前だろうか。まだ日が高いが、「居酒屋」と書かれた濃紺の暖簾をく…
先週紹介した「いろは」の隣にある「かとりや」は、1963年創業の精肉店をルーツとする老舗酒場である。酒は群馬県・井田酒造「胡月」が人気のようだが、麦酒(赤星)、サワー、ハイボール、焼酎などの定番も揃う。串焼きは、カシラ、ハラミ、タン、ハツ、…
再開発が進みビルが立ち並ぶ溝の口駅東口と対照的に、西口商店街には昭和の空気を色濃く残すバラック酒場が連なる。こうした場所に強く惹かれるのはシニア世代に限らない。客の多くは筆者より若い世代である。野毛やアメ横と比べれば小規模だが、焼き鳥の煙が…
浅草橋駅近くからほど近い、かつて政財界や芸能界の人々に愛された花街「柳橋」は、今は普通の住宅街だが、隅田川から分岐した水路には屋形船が繋がれ、花街であった独特の風情をどことなく感じさせるエリアでもある。隅田川の川沿いの遊歩道から堤防を上がり…