知って得する建物の豆知識 343 ヴァナキュラー(Vernacular)建築 暗黙知である地域技術に驚嘆
筆者が若かりし、1965年ごろ、東京藝大の山本学治教授(建築構造・1923~1977)の対面講義を受けたことがあります。教授はヘビースモーカーで「パール」という銘柄のタバコを指先が焦げそうになるまで吸い、灰皿には短いどんぐりのような吸い殻が…

筆者が若かりし、1965年ごろ、東京藝大の山本学治教授(建築構造・1923~1977)の対面講義を受けたことがあります。教授はヘビースモーカーで「パール」という銘柄のタバコを指先が焦げそうになるまで吸い、灰皿には短いどんぐりのような吸い殻が…
最近は主構造に木材を使う建築物が増えています。従来はRC造(鉄筋コンクリート造)やS造(鉄骨構造)が使われてきた中高層建築物についてです。増加の理由はSDGsや脱炭素を達成するために、鉄やコンクリートの使用量を減らし、カーボンニュートラルな…
インテリアにおける壁の面積は非常に大きく、例えば平面積が20m2の部屋の場合、開口部などを除いても壁面積はおよそ30m2近くあります。また、廊下などは平面積と壁面積の割合は極端に壁面積が大きくなります。天井も壁と同じ仕上げにするケースも少な…
久しぶりに、面白い建築用語についてお届けいたします。まずは「出角(ですみ)と入角(いりずみ)」です。出角とは建物の出っぱりであり、入角とは建物の凹んだ部分のことです。出角は分かりますが、出っ張ってもいないのに角という文字が使われているところ…
歴史的に都市のインフラ整備は建築物や道路以外に上下水道の完備が重要です。疫病や伝染病の蔓延はほとんどが給排水の未整備が大きな要因になっていました。古い時代の優れた排水設備として有名なのはインダス文明(BC2000年)の都市モヘンジョ・ダロで…
建具類の中で室内ドアは最も身近な存在です。それゆえ、そのデザインや仕様、手触りなどは、使い勝手や快適性を大きく左右します。 ドアの仕様は屋内用と屋外用に分かれます。屋外用は風雨や紫外線にさらされるため耐久性が求められ、代表格は玄関ドアです。…
建築は基本的に平面で構成されています。しかし、デザイン的に曲面(R面)を取り入れることで、自然物に近いイメージが付加され、より身近な造形として建築を感じることができます。 曲面には二次曲面と三次曲面があります。二次曲面は茶筒や円筒のような面…
インテリアは床・壁・天井という3つのエレメントで構成されています。天井は日常触れることはなく、視覚からは最も遠い位置にあり、質感よりも形状が重要です。壁は手や身体で触れることがあり、視覚的にも、天井に比べ色柄やテクスチャーが重要になります。…
音の三要素は「大きさ」「高さ」「音色」です。大きさは振動の振れ幅で、高さは1秒間の振動数(周波数)、音色は音の波形により変化します。分かりにくいのは音色ですが、純音であれば単調なサインカーブですが、楽器や人の声は大きくはサインカーブを描きな…
主に住宅分野で使われる外壁には大きく分けて5種類あります。定尺で造られたパネルや板を下地に取り付ける「サイディング」、セメントを主材料にして吹き付けやローラー、手塗りで仕上げる「モルタル」、軽量気泡コンクリート(ALC)をパネル状にしてサイ…
建築家が主人公の小説は「美しき町」(佐藤春夫)や「ランドマーク」(吉田修一)、「水の迷宮の夢」(ヨシフ・ブロツキー)など多数ありますが、建築そのものや、建築事務所の仕事についての蘊蓄(うんちく)を中心に、描かれたのが「火山のふもとで」(松家…
照明は、暮らしの中にゆとりやくつろぎを演出する効果をもたらし、生活に潤いを与えてくれます。照明の使い方一つで、住空間のイメージは大きく変わります。新築時の照明計画は間取りの変更で大きな影響を受けますので、全体の間取り決定に合わせて照明計画を…
世界には思いもよらない、想像を超えた建築物がたくさんあります。映画にもなっていますが、ピカソやアンドレ・ブルトンが絶賛し、フランス政府指定の重要建造物となった「シュヴァルの理想宮」は、フランス南部オートリーブの郵便配達夫が造り上げた建築物で…
国や地方自治体が発注する公共工事などでは工事記録が義務付けられています。これは、手抜き工事が横行した高度成長期に建築物の品質を担保するために考えられた方法です。各施工段階ごとに、設計図書、仕様書に規定されている施工品質が分かる写真とを添付し…
60~70年代において、建築のデザインは音楽や絵画、彫刻などを包括する哲学であり、哲学は言葉で表されるという概念が支配していました。言語による建築デザインが隆盛を極めており、多くの建築家は戦後の日本的な建築とは何かが議論された「伝統論争」を…
壁面緑化とは、建物や構築物などを植物で覆うことで、緑で覆われたコンクリートの外壁やエクステリア、土木構築物は目に優しく、あまり美しくないデザインであっても、それを覆い隠し環境に溶け込ませることができます。また、SDGsにも貢献します。 壁面…
住宅系の新築不動産物件では建築物の付加価値を上げるために、キッチンや水回りに輸入設備機器を導入するケースが少なくありません。確かにデザイン性に優れた輸入機器はカタログ映えしますし、展示場に来場した奥様方を取り込むには優れたツールといえます。…
インテリアやエクステリアの開口部に使われる部材を建具と言います。建築物の部材で、可動することで機能を発揮する数少ない部材の一つが建具です。建築工事の見積書でも「建具」として独立した項目が設けられる重要部材でもあります。今回はサッシ類とデザイ…
「風が吹けば桶屋が儲かる」とは、一見関係ないものが、巡り巡って実は関係していることの喩えとして使われます。話としては、大風が吹けば土埃が立ち、盲人が増える→当時の盲人は三味線を生業(なりわい)とするので、三味線の需要が増える→三味線の胴には…
整然と区画された宅地造成地は設計という面では大変やりやすいのですが、面白味という点では、可もなく不可もないという設計になりがちです。一方、問題をはらんだ個性的な敷地であればあるほど、設計意欲やインスピレーションをかき立てられ、結果として良い…