整然と区画された宅地造成地は設計という面では大変やりやすいのですが、面白味という点では、可もなく不可もないという設計になりがちです。一方、問題をはらんだ個性的な敷地であればあるほど、設計意欲やインスピレーションをかき立てられ、結果として良い設計に結び付くことが少なくないのです。料理人が難しい素材に挑むのと似ているかもしれません。
個性的な敷地としては「北向き・北傾斜」「大きな段差」「極端な変形」「狭小」などがあります。いずれの敷地も、同一環境の南傾南道路のような物件に比べると2~3割程度低い価格で入手でき、場合によっては半額程度の物件もあります。したがって、何らかの対策を加え建築費が上昇しても、資産価値として十分にペイする設計が求められます。
まずは「北向き・北傾斜」です。この場合の基本対策はパブリックゾーンとプライベートゾーンの上下反転と屋上利用です。二階建てで言えば一階が寝室や収納、浴室などのプライベートゾーン、2階がリビングやダイニングなどのパブリクゾーン、屋上がガーデンです。屋上をガーデンとすることで、屋根からの輻射熱を遮断して、冷房負荷を低減することができます。また、傾斜地の場合の建物高さは平均地盤面からですので、高さに余裕ができるケースが多く、パブリックゾーンを1.5階層化するなどのデザインも視野に入ってきます。























