【暑中特集2026 止まらないインフレ】 住宅ローンは 「借りる」から「選び続ける」へ インフレ時代の選び方
住宅新報 2026年8月4日 号 21面
住宅ローンを巡る環境は、この数年で大きく様変わりした。その要因は、日本銀行の政策金利の引き上げだけではない。新築住宅価格の上昇基調が続いており、都市部ではマンションの価格も高値圏で推移する。住宅取得に必要な借入額が膨らみ、金利まで上昇に転じたことから、住宅購入希望者は、従来以上に返済計画を重視している。
住宅金融支援機構の『フラット35』では、最頻金利が制度開始以来初の〝3%台〟となり、「超低金利」を前提としていた住宅取得は節目を迎えた。現在は借入額や返済期間、固定・変動金利の選択まで含めた総合的な判断が求められる。実際、利用者の意識も変化している。GMO TECH(東京都渋谷区)は、住宅ローン返済中の持ち家世帯を対象に調査を実施し、回答者の86.8%が「家計への不安」を感じている。負担が増えた支出では食費に次いで住宅ローンの返済が上位にある。物価高と金利上昇が家計を直撃している実態が浮かび上がった(図表参照)。
こうした環境変化は、住宅ローンを選ぶ基準も変えた。従来は「最も金利が低い商品」が選ばれている傾向が強かった。現在では、団体信用生命保険の保障内容、借り換えのしやすさ、繰り上げ返済への対応、相談体制なども含めて比較する利用者が増えている。住宅ローンは35年前後の長期契約であり、将来の金利動向やライフイベントまで見据えて選ぶ金融商品へと性格を変えつつある。






















