紙上ブログ不動産屋の独り言636 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 もう同じ轍を踏みたくない 住民説明会への同行を頼まれたが
629話の記事の後日談。入居者が孤独死しているのが3カ月後に発見されたアパート。そこを管理していた次女がその後にがんで亡くなり、家主である95歳の母親は施設にいる。4部屋あるアパートも入居しているのは1室になり、長女と長男が売却を考え始めた…
<p>賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。</p><p>人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。</p>

629話の記事の後日談。入居者が孤独死しているのが3カ月後に発見されたアパート。そこを管理していた次女がその後にがんで亡くなり、家主である95歳の母親は施設にいる。4部屋あるアパートも入居しているのは1室になり、長女と長男が売却を考え始めた…
当社の管理物件に生活保護を受給しながらも、私なんかより優雅な生活をしている老婦人がいる。これは「不正受給だから生活保護を取り消せ」と告発しているのではない。誰にでもまねができる話ではないが、こんなふうに前向きに楽しく生きられたら幸せだろうな…
小さなアパートの2階の住人から夜8時頃、携帯に電話が入った。「下の方から『天井からポタポタ水漏れしている』と言われたんですけど、どうしたらいいでしょう」とのこと。水漏れしている、というより、2階の住人からすれば「台所の排水溝が詰まっている」…
いつも行っている百貨店のOさんと駅前でばったり会った。立派な青年と一緒だった、「息子です」と紹介してくれたのだが、イケメンで腰も低く、どんな仕事をしているんだろう、と気になった。後日、聞いてみると、なんと私と同業だった。しかも、私とは因縁の…
今から10年以上前に当社で部屋探しをさせていただいた中年の独身男性がいる。離婚をして成人した息子が1人。会社では管理職で、部下の部屋探しも私に紹介してくださる。最近になって、そのお子さんが泊まりがけで遊びにくるようになって、今の部屋では狭く…
今から20年以上前に、うちの店の近所で古本屋をやっていたご夫婦がいる。私が家と店の両方に全巻を置いてあるお愛読書、池波正太郎の「鬼平犯科帳」もそちらで購入した物。だが、世の中の流れや需要が古本から離れ、15年ほど前に廃業して、ご主人のMさん…
当社管理のテラスハウスに中年の姉妹が入居している。以前は両親と4人で暮らしていたが、10年前に父親が、5年前には母親が亡くなり、子供だけになったところから様子がおかしくなった。姉妹は共に独身で、協力して両親の介護をしていたのだが、両親が亡く…
10月に入って早々の定休日、そろそろ寝ようかと思ったところに入居者から電話。そんな時間に掛かってくる電話が「よかったこと」であった例がない。たいていは「上の騒音がひどいからなんとかしてくれ」とか「トイレの水が止まらない」とかである。水が流れ…
当社で管理をさせてもらっている貸家の家主、占いが実によく当たる。特に男女間の相性に関しては、私が知る限り「外した」ことはない。最初は私も半信半疑で、妻との相性をみてもらったが、驚きの結果が出た。占ったもらうためには2人の生年月日を伝えるだけ…
某市役所の環境衛生課の担当者から電話があった。「オタクで管理しているメゾンKのゴミ置き場に不法投棄がいっぱいあって、片付けておいたけど、対策を講じてもらえないか」とのこと。従来のゴミ置き場は通りに面していて、通行人や車がポイ捨てしやすい。「…
当社で家賃管理をしているアパートの入居者で、毎月、家賃が遅れている男性がいる。若い男性が2人でルームシェアをしているのだが、2人とも一流企業に正社員として勤めているのだから、家賃が遅れるのが分からない。他に何か借金をしていて支払いに追われて…
当社と提携しているリフォーム業者が、お客さんを紹介してくれた。下請けの業者の社長とかで、今度結婚するとのことで、物件を見てもらうと、すぐに気に入って申し込みが入った。後日、花嫁さんを伴って契約に来たときには驚いた。「リフォームの仕事をしてい…
こちらのコラム(「他社なら断ったであろう依頼」8月31日号)で紹介していた老婦人が亡くなった。確かに痩せてきてはいたし、食も細くなってはいたが、当面は急に亡くなることはないだろうと、包括支援センターの担当者も家主も私も思っていたのだが、亡く…
当社管理のマンションに友人とのシェアで入居した女性がいる。入居したのは大学を卒業して就職するとき。大学の同級生で進路は分かれたが仲が良く、一緒に暮らせば経費も浮く、と考えたようだ。双方の親に二人ともを保証する連帯保証人になってもらった。どち…
当社の入居者で、不幸を絵に描いたような女性がいる。3姉妹の長女で、母親と同居していて、下の妹2人はそれぞれに家庭を持って子供にも恵まれ幸せに暮らしているのだが、15年ほど前から母親が難病になり寝たきりになると、介護は長女の役割となり、勤めて…
当社で入居者を募集していた風呂なし物件に問い合わせが入った。家賃は2万5000円である。手間は同じでも家賃が高ければ手にする仲介料は多くなるもの。その物件ではどんなに手間をかけても仲介料は2万7500円にしかならない。今までも問い合わせはた…
夕食と入浴の後で、うちの(妻)ととりためたビデオを消化していたら猛烈な睡魔が襲ってきた。うちのに「もう寝るわ」と言い、トイレに行って出てくると、「電話が鳴っていたよ」と言う。こんな時間に誰だろう。仕事関連だとしたらトラブルで、なおかつ今でな…
多分すぐにまた「おにぎりを買ってきてほしい」と頼んでくるだろうな、と思っていたら案の定、数日後に電話があった。前回は家主が行ってくれたのだが、毎度お願いすることはできない。これが当社から徒歩10分とかなら話は別だが、片道1時間かかると知って…
郵便局へのお使いを頼まれて、電車とバスを乗り継いで片道1時間もかけて高齢婦人のアパートまで行ったのだが、依頼はそれだけでは終わらなかった。2週間ほどして「おにぎりを買ってきてほしいの」との電話。聞けば今食べられるのはセブンイレブンの昆布と鮭…
朝6時過ぎに携帯が鳴った。入居者である高齢婦人からだった。いつも4時起きだから別に構わないのだが、「坂口さん、頼まれてほしいことがあるんだけど…」と泣きそうな声で言う。「どうしたの?」と聞くと、「私の委任状を持って郵便局に行ってお金を下ろし…