紙上ブログ不動産屋の独り言631 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 義理堅いお客さん 部下の部屋探しも依頼してくれたが
住宅新報 2021年12月7日 号 7面
今から10年以上前に当社で部屋探しをさせていただいた中年の独身男性がいる。離婚をして成人した息子が1人。会社では管理職で、部下の部屋探しも私に紹介してくださる。最近になって、そのお子さんが泊まりがけで遊びにくるようになって、今の部屋では狭くなり、私に再度の部屋探しを依頼してくれた。驚いたことにその男性は不動産会社を子会社に持っている企業に勤めていて、物件は自社で探せるのに、「どうせなら坂口さんの会社を通して申し込みたいんですよ」とおっしゃる。自社以上の優待とか割引を期待しているわけではない。それが証拠に「ボーナス付きの物件があったりしても、うちはもらわない方針なので、その分はお返しするか、契約金の中で還元するかしますね」と言うと、「気にしなくていい、とっておいて」と言って引かない。
希望物件があっても
それどころか自分で物件情報サイトなどで見つけた物件を「こんなのどう? オタクが扱える?」と聞き、私が調べて「直でないとダメみたい。同業者の客付け不可でした」と伝えると、「じゃあボツにしといて」と言う。「ご希望にピッタリの物件なら当社の利益なんか考えないで決めちゃってください」と言えば、「そんなことしませんよ」と笑う。外観は、ご自身で見に行っていて、当社を通せるなら内見して決めるつもりでいて、なんだか申し訳ない。























