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プレミアム会員限定紙上ブログ不動産屋の独り言636 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 もう同じ轍を踏みたくない 住民説明会への同行を頼まれたが

住宅新報 2022年1月18日 号 6面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

売買・賃貸仲介

 629話の記事の後日談。入居者が孤独死しているのが3カ月後に発見されたアパート。そこを管理していた次女がその後にがんで亡くなり、家主である95歳の母親は施設にいる。4部屋あるアパートも入居しているのは1室になり、長女と長男が売却を考え始めた矢先、大手のA不動産が、その地域で市と協力して大規模な開発をすることになった。当初は次女が亡くなる前に、病院から私に電話をしてきていて、「もうそのアパートは持っているだけで面倒なので、先々は売却する方向で相談にのってください」とも言われていたが、その次女が亡くなったとなると雲行きが怪しくなる。というのも、私は長女と長男とは面識がなく、信頼関係が築けていないからだ。

10年前にも

 いやな予感しかしないところに、長男から電話があった。「今度の水曜日、19時から公民館で住民に対する説明会が開かれるのですが、一緒に参加していただけないでしょうか」という用件。水曜日は定休日で、しかも夜。説明会といっても紛糾したなら何時に終わるか分からない。私は普段21時には床についている。それは私の勝手な事情だし、快く一緒に参加してあげればよさそうなものだが、私には「行きたくない理由」があった。10年ほど前、そのアパートの前まで本下水が入ることになって、どういうわけか長男から私に電話があった。いつもなら家主である母親と一緒に暮らしている次女から相談を受けるのだが、「この際、アパートの下水を浄化槽から生放流にしたいので、業者から見積もりをとってもらえないか」という依頼で、良心的な設備屋さんにお願いして見積もりをしてもらい送ったら、長男が怒って電話してきた。

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