紙上ブログ不動産屋の独り言614 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 香港からの留学生 義理堅い対応に感動
店番をしていたら、ドアが開く気配。見ると若者が遠慮がちに立っていた。声を掛けると、「この辺に安い部屋、ありませんか」と聞く。イントネーションからして中国人だな、と思った。ならば相手にしたくない。いくら「差別してはいけない」と指導されても、過…
<p>賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。</p><p>人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。</p>

店番をしていたら、ドアが開く気配。見ると若者が遠慮がちに立っていた。声を掛けると、「この辺に安い部屋、ありませんか」と聞く。イントネーションからして中国人だな、と思った。ならば相手にしたくない。いくら「差別してはいけない」と指導されても、過…
親しくしているNPO法人の代表から電話があった。ある資産家が亡くなって、日頃からそのNPO法人の活動に賛同していたこともあって、遺言により、遺産の半分を贈与されることになった。その中に都内の一等地に建つ古いアパートがあり、「普段からオタクに…
身勝手で感謝の心がない高齢の入居者(女性)がいる。何か依頼してきて対応しても「やってくれて当然」としか思っていないのが透けて見えているから、その入居者のために骨を折る気持ちになれない。知り合ったのは当社管理の別のマンションに入居していた頃か…
賃貸の入居者募集で、最近は借り手市場ということもあって、広告を出している通りの内容で申し込みが入るとは限らなくなった。「礼金ゼロにならないか」とか「家賃が6万5000円になっているけれど6万円にならないか」とか「日割り発生を1カ月先まで待っ…
定休日である水曜日の午後、携帯に電話が入った。掛けてきたのは隣町のアパートに一人で住む生活保護の若い女性。「今、ドアの前に誰かいるんですけど、どうしたらいいですか? ドアスコープからのぞいたら中学生か高校生くらいの男性のようですが」とのこと…
アットホームから私のスマホに「エンドユーザーから問い合わせが届いております」とのメールがあった。それによると「引っ越し先を探しています。今の住まいは会社契約で、会社を解雇されたので出ていかなければなりません。連帯保証人なしで保証会社使用でお…
今から15年ほど前の話。当時賃借していた物件が老朽化していて立ち退くことになった老姉妹が、私が書いた本を読んで「絶対に次の部屋探しはこの不動産屋に」と決めて連絡をくださり、そのご縁で現在、当社管理の部屋にお住まいの女性がいる。お姉さんは長く…
GWの休みに入ってからすぐ、あるアパートの住人からメールがあった。「アパートの敷地にゴミが散らかっていてすごいことになっているのですが…」とのこと。写真も添付してあり、見ると、確かにひどい。「分別もしてなくて、市の指定の袋にも入ってないし、…
当社管理の家賃2万5000円のアパートに同業者から問い合わせが入ったのだが、いきなり「審査の緩い保証会社を知りませんかねえ」と聞く。ということは、客付け業者が「客の属性が悪い」と思っている、と分かる。私が「過去に自己破産とかしているのですか…
夜中に、ある入居者から電話があった。「上の音がうるさい。真夜中に話し声やドタンゴットン音がする。注意してもらいたい」とのこと。だが、夜中に電話をして間違いだったらこちらが恨まれる。いや、たぶん間違いだと思われる。それで、「我慢できないなら、…
うちの店の近くに連棟式の平屋の貸家がある。間取りは1Kで、家賃も高くないから2部屋とも生活保護の高齢者(男性と女性)が一人暮らしをしている。男性は、入居したときは自転車で出掛けたりして元気だったが、10年も経った今では歩行補助機につかまって…
ある大手不動産会社の管理物件にお客様を案内して申し込みが入った。物件は今風のデザインと造りで若者受けしそう。オートロックで水回りの設備も整っていて使いやすい1LDK。家賃もさほど高くはないから、そりゃあ見れば一発で気に入るような部屋だった。…
郊外の2DKのアパートに、他社の紹介で申し込みが入った。審査も通り、契約に来てもらうと、入居者は男性1人のはずだが彼女を連れてきた。「お1人で住まわれるのではなく同棲するのですか」と聞くと、「いえ、まだそこまでは考えていません」とのこと。「…
投資の失敗も、お気の毒ではあるがご主人が亡くなったことも、家賃を免除したり値下げする理由にはならないもの。家賃は借主の事情で決まるものではないから、である。冷たいようだが12万円しか払えないというのなら、自分の所得に見合った物件に移ればいい…
多摩郊外の貸家に20年ほど住んでいる女性がいる。入居した当初はご主人と息子2人と4人で暮らしていて、家賃は30万円だった。住み込みで働くお手伝いさんの部屋まである豪邸で、家賃相場としては決して高くはない。当初は大手の不動産会社が管理していた…
お母さんは「また来ます」と言って帰っていったが、ここ3カ月、約束した月5万円の返済が滞っていて、そのことへのおわびなら電話でも済む。わざわざアポも取らずに訪問してくるのだから新たな借金の相談であると分かる。「月末と月初めの1週間くらいはバタ…
もう20年以上の付き合いになる外国人がいる。当時、日本人男性と結婚してレストランをやっていた。そこそこ繁盛はしていたが、駅に近い店舗でそれなりに賃料が高く、それがだんだんと経営を圧迫していった。更新直前の賃料を3カ月滞納していて、それを払っ…
普段から仲良くしている同業者が、隣町の格安物件を案内してくれて申し込みが入った。隣町といってもかなり遠く、電車で行ったなら5駅、車で案内しても片道20分以上かかる。 申し込み時に担当者から「家賃の値下げは無理でしょうか?」と聞かれた。担当者…
40年来の付き合いになる家主がいる。もともとは、私が25歳頃に埼玉県で新築マンションを購入した数年後から付き合いが始まった地元の電気屋さんで、私はその客だった。 驚くほど良心的で、技術力も高い。おまけに家電量販店でポイントを付けてもらって買…
当社の風呂なし物件に6年間住んでいる男性から相談があった。「留守中に誰かが室内に入っていると思う」と言う。 男性は50代半ば。居酒屋で働いているから午後に出かけて夜遅くに帰ってくる。「出かけるときに物を置いた位置が明らかにズレている。テレビ…