紙上ブログ不動産屋の独り言610 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 なんでも気にし過ぎの入居者 簡単に管理会社を頼られても
住宅新報 2021年7月6日 号 6面
定休日である水曜日の午後、携帯に電話が入った。掛けてきたのは隣町のアパートに一人で住む生活保護の若い女性。「今、ドアの前に誰かいるんですけど、どうしたらいいですか? ドアスコープからのぞいたら中学生か高校生くらいの男性のようですが」とのこと。「チャイムを鳴らされたり、ドアをたたかれたりしましたか?」と聞くと、「そういうことはありませんが、ドアの前に立ち続けているってことは不審者ですよね。気持ち悪いので」と言う。そんなこと言われても、こっちは定休日だから仕事を忘れて過ごしたい。正直、飛んで行きたくはない。
大半はそのまま解決
警察に電話するほどのことでもないだろう。その日は午後から雨が降り始めていたので雨宿りしていた、とも考えられるが、だとしたら2階の通路まで上がってこないだろうし、ドアを開けて「何か御用ですか?」と聞くわけにもいかない。そんなことをしたら「ここは女性の一人暮らしだ」と相手に分かってしまう。チャイムを鳴らされたとしても居留守を決め込むのか一番だろう。家主は同じ敷地の戸建てに住んでいるが、平日の昼間は奥様だけだし、こんなことで助けを求めて電話をしたら嫌がられるだろう。今までも似たような要件の電話は何度も受けているが、ほとんどが「放っておけば解決する問題」ばかりだった。せめて同じ市内なら行けなくはないが、今までそんな感じで心を病んで生活保護を受けている人から相談を受けたり、「すぐ来てくれ」と言われて「すぐに飛んで行ってよかった」と思えた要件などない。ほとんどが「今じゃなくてもいいでしょ」という用事ばかり。























