紙上ブログ不動産屋の独り言630 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 知人から受けた相談 住宅困窮高齢者の支援組織を紹介
住宅新報 2021年11月30日 号 6面
今から20年以上前に、うちの店の近所で古本屋をやっていたご夫婦がいる。私が家と店の両方に全巻を置いてあるお愛読書、池波正太郎の「鬼平犯科帳」もそちらで購入した物。だが、世の中の流れや需要が古本から離れ、15年ほど前に廃業して、ご主人のMさんは今は大手の社宅管理会社に所属してマンションの管理人をしている。先日、最寄り駅のコンコースでばったり鉢合わせした。互いにマスクをしていてもすぐに分かった。
以前は住み込みで
「ちょうどよかったよ。相談したいことがあるんだけど」、とのこと。「私の同僚で75歳のおばあちゃんがいるんだけど、住み込みで働いていて、もう仕事を辞めるからアパートを借りなくちゃいけないんだけど、どこも貸してくれないんだよ。なんとかならないかなあ」と言う。職も貯金もなく身よりもいないし、生活保護でもない。それだと不動産会社や家主から敬遠されるのは無理もない。保証会社の審査も通らないだろう。生活保護を申請するにも寮を出たなら現住所がなくなるから、どこの市に申請するにしても、役所から「まず住居を確保してください」と断られるだろう。それだと順番が逆になる。事実、神奈川県の某市で生活保護を申請したが受理されなかったとのこと。どこの自治体も、負担だけが増える生活保護者の受け入れには難色を示すもの。年金の額は月に10万円ほどで、仮に家賃4万円の部屋が見つかったとして残り6万円で生活していくのは無理というもの。























