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スタンダード会員限定社説 大相続時代のコンサル 不動産業変革の糸口に

住宅新報 2026年9月8日 号 2面

連載: 社説「住宅新報の提言」

政策
社説「住宅新報の提言」

 団塊世代の80歳代入りが目前となり、日本は今後高齢化が加速し、いよいよ大量相続時代を迎える。基礎控除が約4割も引き下げられた15年の相続税改正以来、課税対象者が大幅に広がっていることもあり、不動産業界では相続コンサルティングへの対応力が注目を集めている。

 現在、仲介市場では大手の寡占が進み、中小不動産会社の間には危機感が強まっている。仲介と賃貸管理部門を併せ持つ事業者は、アパートなど家主からの相続相談にも応じられるようにしなければ生き残れないのではとの警戒感もある。あるコンサルタントによると、相続において専門家のアドバイスが本当に必要になるのは二次相続からだという。一次相続では配偶者が取得した遺産のうち1億6000万円または法定相続分相当額まで相続税が掛からない制度があるが、二次相続では配偶者の税額軽減を利用できない上、小規模宅地特例の適用条件も相続人の状況によっては厳しくなるからだ。二次相続が本番となるのであれば、これからコンサル能力を強化していこうとしている業者も間に合うだろう。もちろん、比較的対策が容易な一次相続から依頼を受け、依頼者の信頼を得ておくことが理想だ。相続コンサル能力を持つ人材を採用する道もある。

 社内における相続コンサル強化の必要性は中小不動産会社に限らない。競争が激しい大手流通会社にとっては未来の優秀な人材をどう確保していくかが大きな課題だ。そのためにはまず、業界自体が新卒など若者の目に魅力的に映っていなければならない。今の若者は給与の高さだけでなく社会的貢献度ややりがいを求める傾向がある。単なる仲介ではなく、コンサル能力を身に付け、たとえば〝カリスマ的コンサルタント〟への道が開けるような魅力的流通業界への変革を急ぐべきだ。

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