彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇216 中古や賃貸とは違う 新築好きの日本人 何が失われるのか
日本人の新築志向は根強い。最近でこそ中古を選ぶ人たちも増えているが、それは新築価格の高騰で手が届かなくなったゆえのやむを得ない選択で決して積極的志向ではない。 「新築の家」を好む感覚は、日本人独特の清潔感からくる神聖なものだ。その象徴が家に…

日本人の新築志向は根強い。最近でこそ中古を選ぶ人たちも増えているが、それは新築価格の高騰で手が届かなくなったゆえのやむを得ない選択で決して積極的志向ではない。 「新築の家」を好む感覚は、日本人独特の清潔感からくる神聖なものだ。その象徴が家に…
最後の富 「量から質へ」「ハードからソフトへ」「モノからコトへ」そして今起きている住宅市場最後の潮流が「価格から価値へ」である。「失われた30年」の長く続いたデフレ期には住宅価格の上昇それ自体が話題となった。だが近年、建築費や人件費高騰を背…
家賃の値上げ交渉が頻発化している。家賃が値上がりし始めたのは、住宅価格が上がって、住宅購入を諦めた層による賃貸需要が増えたからではない。円安による輸入物価の上昇や人件費高騰で物価が上がり始めたからである。その円安は当分続く公算が高い。あるエ…
「たくさんの友人がいることぐらい、楽しい人生はありません」 1月27日に明治記念館で開かれた第49回不動産女性塾新春セミナーに集まった約100名もの人たちに対するお礼の言葉を述べたあとで、北澤艶子塾長はそう語った。 「私ぐらいいい人たちとの…
横浜市立大学国際教養学部教授の齊藤広子氏は「教養」としての不動産を教えている。学生たちは主に社会インフラとしての住まいの大切さを学び、空き家再生プロジェクトでは物件探しやDIYなどに汗を流す。齊藤氏は「〝住まいのイノベーションを起こす〟こと…
新築住宅の高騰で中古住宅検討者が増えるなか、「リノベる」(東京・青山、山下智弘社長)は仲介機能を担う子会社「ハンドル」を設立し、昨年12月営業を開始した。住む人の想いや暮らしを再定義し、画一的ではない住まいの価値をつくり続けてきたが、その価…
昨年は大手ディベロッパーによる定期借地権付きマンションの販売が増え、改めて定期借地権への関心が高まっている。一般社団法人全国定期借地借家協会代表理事の大木祐悟氏は「今こそ定借の正しい知見を広める好機」と語る。同協会は今年から総会報告のビデオ…
東京に限らず日本では今、地方中枢都市でも億を超える高額マンションが富裕層らによって買われている。それが実需であれ投資目的であれ、止まらない価格上昇を皮肉って「実体価値ではなく、(買い手による)評価価値の時代」と表現する業界関係者もいる。青森…
北澤商事(東京・足立区、北澤敏博社長)は今年4月、創業70周年を迎える。同時に北澤龍一取締役が新社長に昇格する。龍一氏は現在37歳。敏博氏の長男で創業者である北澤艶子会長の孫。老舗の不動産会社として地元の人たちから長く愛され続けてきた北澤商…
フレシキブルオフィスが注目されている。日経リサーチが24年に実施したテナントアンケートよると、今後2~3年の間におけるフレシキブルオフィスの利用方針について、「利用を増やす・始める」は22.1%で、「席数や面積は変えずに利用を続ける」の7.…
スーモ編集長の池本洋一氏は11月25日に行った不動産女性塾での講演で「我が国の住宅政策は25年サイクルで変遷してきている」との見解を示した。1950~1975年は住宅の数の充足、75~2000年は広さの確保、00~25年は新築の品質担保とス…
労働人口の減少でこれから各産業間の人材確保競争が本格化する。AIやチャットロボットの進化で人間の頭脳よりも熟練の手や足を必要とする労働の必要性が高まり、ホワイトカラー(知識・管理系)よりも現場のブルーワーカーやエッセンシャルワーカーの賃金が…
SUUMO編集長で同リサーチセンター長の池本洋一氏は11月25日に行った第48回不動産女性塾の講演で、これからの不動産業(主に仲介や賃貸業)のビジネスチャンスとして以下の5点を挙げた。 (1)増える単独世帯(2)大都市圏の世帯数は35年まで…
一般社団法人不動産流通プロフェッショナル協会(FRP、真鍋茂彦代表理事)は11月下旬、不動産流通業界に対する提言を行った。FRPは不動産流通推進センターが資格認定をしている公認不動産コンサルティングマスター、または宅建マイスターの資格保有者…
住宅が資産格差拡大を助長しているかのような都心部における価格高騰を止める手立てが見つからない。 ◎ ◎ 東京23区で新築マンションの平均価格が1億円を超えたのが23年で24年も1億1000万円台。25年は1億3000万~4000万円台になり…
国会では食料品に対する消費税非課税化が物価高対策として大きな争点となっている。生活必需品である食料品の消費税率をゼロにすることで家計への負担を軽くするのが狙いだ。ただ、日本には「衣食住足りて礼節を知る」ということわざがあるように「食」が日々…
他者(ヒト)が住んだ瞬間に〝中古〟と呼ぶ、それは日本人ならではの感性である。しかし、わが政府は16年前の2009年に長期優良住宅法に基づく「長期優良住宅認定制度」を始めている。にもかかわらず、いまだに築1年の長期優良住宅をも〝中古〟と呼ぶこ…
「過去のデータだけを扱うAI」の時代が終わり、「自ら思考・推論するAI」の登場によって、仲介業者と依頼者の関係が大きく変わろうとしている。一時は仲介業という仕事が全てAIに取って替わられるとの観測もなされたが、今はもう少し深い議論がなされて…
事業者もユーザーも賃貸住宅への関心を高めている。分譲価格の高騰で賃貸を選ばざるを得ない人たちがふえていることもあるが、事業者側もそろそろ新築分譲マンション主役の時代が終わり、中古住宅や賃貸住宅が市場の中心となる時代がやってくると思っているフ…
マンションの外観は各住戸のバルコニーが並ぶ画一的な表情が特徴。戸建てのように住む人の趣味や感性を外からうかがうことはできない。訪問先の部屋番号を押してエントランスドアを解錠してもらうオートロックシステムはセキュリティを重視する集合住宅の象徴…