彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇36 〝転売型〟の妙 イメージ刷新 新・中間省略登記で利益還元
凝り固まったイメージほど恐ろしいものはない。物事の本質を見誤る弊害がある。そのことに気付かせてくれたのは、福田龍介氏著の『新・中間省略登記』(改訂版)だ。不動産取引の様々な形態とそこにまつわる多くの課題を知ることができた。 著者はまず、こう…

凝り固まったイメージほど恐ろしいものはない。物事の本質を見誤る弊害がある。そのことに気付かせてくれたのは、福田龍介氏著の『新・中間省略登記』(改訂版)だ。不動産取引の様々な形態とそこにまつわる多くの課題を知ることができた。 著者はまず、こう…
いまだ誰も挑んだことのない道を歩む――そんな生き方への憧憬が高まっている。 前人未踏とまでは言えないかもしれないが、不動産業界にも〝二刀流〟がいる。本コラム第1回目に登場した耶馬台コーポレーション(東京・中野)社長の宮地忠継氏がその人。 不…
一口に不動産業と言っても誰のためになんのために働くかで、その価値観は大きく異なる。売買、販売代理、買い取り再販、地上げなどは会社が利益を上げるための仕事だが、個人間の取引をつなぐ仲介は素人間の取引をプロが無事成立させるための仕事である。つま…
座談会から 原案者、夏原武氏「営業マンを追い詰めているのはやっぱりノルマ。歩合で稼がなければやっていけないことが重荷となっている。だから嘘をつくとか、契約をせかしたりする」 「このノルマと歩合というやりかたは実は営業マンだけでなく会社側にと…
TVドラマ化決定 突然嘘がつけなくなった不動産営業マンを主人公にした人気漫画「正直不動産」(小学館発行)が4月からNHKでTVドラマ化されることが決まった。同書は不動産業界の闇をさらけだす〝痛快皮肉本〟だが、なぜか不動産業者の間でも愛読者が…
「住まいとは何か」と問われて即座に答えられる人は少ない。原始時代ならともかく、「雨風をしのぐ器」との回答に満足する人はいないだろう。「家族の絆を深める場」との回答はファミリータイプの住まいにしか通用しない。一人世帯が多い現代における住まいの…
〝コロナの死角〟 住宅業界には、コロナ禍で住宅が売れている根本要因は〝コロナ貯蓄〟が住宅市場に流れ込んでいるからという見方がある(第25回当コラム参照)。ということは、幸い今年コロナが収束すれば皮肉にもコロナ貯蓄の積み増しもなくなり、住宅市…
日管協が創設 昨年は〝DX旋風〟が巻き起こった感があるが、今年は「人への投資」が不動産業界のキーワードになる予感がする。1月20日、日本賃貸住宅管理協会は「人財ネットワーク制度」を始める。これは、賃貸住宅管理業界で働く人が結婚や配偶者の転勤…
重大ニュースの選からはもれたが、今年は不動産とアート(芸術)との関係を考える話題が多かった年でもある。 本紙見出しを拾うとーー。「アートとまちづくり(上) 三菱地所、大丸有エリア〝アート〟がビジネスに気付き」(1月19日号)、「同(下) デ…
第3回「令和マスターズさろん」が12月7日、Webとリアルとの〝二刀流〟形式で開かれた。リアルの会場には代表理事の北川登志彦氏(東急不動産HD顧問)や理事、講師陣らが参集した。 Web参加者には講演会が始まる5分ほど前から会場風景が映し出さ…
人口3万人に満たない福井県小浜市にある平田不動産(平田稔社長)は11月30日、「360度VR」を展開するスペースリーがサービス開始5周年を記念して創設した「第一回不動産VRアワード」を受賞した(他に4社)。 今年で創業38年となる平田不動産…
某大手流通会社の担当者によれば、コロナ下で住宅がよく売れている最大の要因は〝コロナ貯蓄〟だという。 コロナ貯蓄とは外食や旅行が制限されたために消費に回らず期せずして増えてしまった貯蓄のことである。 日銀はこれを「強制貯蓄」と呼び、その額は昨…
〝お艶さん〟に会え 賃貸業界で活躍するハローニュース社長の吉松こころ氏によると、全国賃貸住宅新聞社では、記者として入社すると「まずは、お艶さんところへ行ってこい」と言われるのだという。全国賃貸住宅新聞は吉松氏が独立するまでの12年間記者修行…
「コロナで始まった新しい生活様式はコロナが収束しても元には戻らない。なぜなら新しい生活様式の中にこそ人間らしい真に豊かな暮らしがあることに私たちは気付き始めたから」――オンラインではなく、久しぶりに東京の明治記念館で開かれた第25回不動産女性塾セミナーは北澤艶子塾長のこうした挨拶で始まった。講師に招かれた前内閣総理大臣補佐官で参議院議員の阿達雅志氏も、菅政権の果たした功績を振り返りつつ、コロナ後の新しい生活様式と日本経済の発展について語った。
衆議院選挙で絶対多数を得た岸田政権のスローガンは「新しい資本主義」。その柱は「成長と分配」で、具体化に向けた議論(新しい資本主義実現会議)も始まった。来年春までに新たな経済社会の全体像をまとめるという。ならば、我が業界も新政権と足並みをそろえ、「新たな不動産業」の議論を始めるときである。
自宅のリースバック事業が広がりを見せる中、マンションでの活用も注目されている。マンションは築年数が経つほど大規模修繕など課題を抱えることが多い。また、入居者が高齢になるほど管理費や修繕積立金の増額に応じるのが難しくなるといった〝二つの老い〟問題も指摘されている。そういう意味では、高齢者が途中で区分所有者から賃借人に変わることができるマンションでのリースバック活用は社会的意義も含めると、戸建て住宅の場合とはやや様相を異にする。
データ化、デジタル化が進む日本の不動産業。その先に待つのは哲学的課題である。例えば、住宅のエンドユーザー側からいえば、住まい選びがビッグデータやVR技術で効率化されるのは歓迎だが、住まい選びが〝効率〟という一本のモノサシに傾いていってしまうことに不安はないのか。仲介や買い取りなどを行う不動産事業者側にしても業務の大半がビッグデータとそれを分析するAIの能力に任せていけば、人間の仕事としては果たして何が残るのだろうか。
今年2月から始まった東京都の人口減少(対前年同月比)が止まらない。人口の変動要因は自然増減と社会増減に分かれるが、昨年7月以降の社会減(転入者<転出者)が効いている。自然減(出生数<死亡数)は既に16年から始まっている。転出者の増加はコロナを背景にした働き方改革と住まい方改革の影響がいかに大きいかを物語っている。
多くの人は現実のしがらみに縛られて、変われずにいる。例えば〝東京〟という雑踏から逃れたくても、地方には現在の収入を確保できる仕事がない。「収入の代わりに得るものがあるからいい」と自分自身は納得しても妻や子を説得する自信はない。結局、社会が大きく変わるしかないのだ。
アールシーコア(二木浩三社長)はこのほど、ログ小屋「イマーゴ」の新商品〝走るログ小屋〟を発表した。車輪付きでどこにでも車でけん引していくことができる。ワーケーションや二地域居住など移動への関心が高まる中、移動先を自由に選ぶ究極の〝居場所造り〟が実現する。気分で変えるテレワーク拠点、リュックの代わりに小屋ごと背負っての週末レジャー、小屋と共に旅する人生…。固定されていたハードを移動自由というソフトに変えての新たな楽しみ方が登場する。