紙上ブログ悪徳不動産屋の独り言 151 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 対照的な2人の入居者 鍵紛失で現れる人間性
共にうちの管理物件に入居していた(いる)人間性の対照的な2人の入居者の話。今から2年前の真冬のある日、夜中に私は右の腎臓が痛み始めて救急車を呼ぶかどうか悩むほどの状況に陥っていた。それから毎晩、弱い痛みや違和感が続いていて、たまたまいつもよ…
<p>賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。</p><p>人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。</p>

共にうちの管理物件に入居していた(いる)人間性の対照的な2人の入居者の話。今から2年前の真冬のある日、夜中に私は右の腎臓が痛み始めて救急車を呼ぶかどうか悩むほどの状況に陥っていた。それから毎晩、弱い痛みや違和感が続いていて、たまたまいつもよ…
たまたま、人様よりちょっと敏感な鼻と耳のおかげで契約に至った、という嘘のような本当のお話。と言っても、鼻の話はまだ私が不動産の仕事をする前、新設ゴルフ場の会員権販売の営業をしていた頃のことで、日本中がバブル景気に酔いしれていた頃の話。 銀座…
夕方、そろそろ店を閉めようか、と思っていたところに、中国人男性と思しき3人組が来店した。1人は無口で、「心の底では日本人を蔑んで嫌っているのでは」と思えるくらいだった。「3人でルームシェアをしたい」とのことで予算は10万円まで。ちょうど良い…
管理会社の苦労をよく分かってくれる家主さんがいる。年に一度、業者に3万円でアパートの草取りを依頼していたが、阪神大震災の際、こうお願いしてみた。「中学生になる私の娘とその友だちに同じ3万で草取りのバイトをさせてやってもらえないでしょうか?」…
今から15年前、まだ郵便が国営だった頃の出来事。国立市にある当社の管理物件の契約を終え、契約書をそのアパートに郵送したのだが、郵便物が「宛先に尋ね当たりません」と判を押されて戻ってきた。「そんな馬鹿な」と思って、書き間違いがないか丹念に照合し、間違いがないことが確認できたので、近所の(特定)郵便局に持って行き、「宛先に間違いがなく、相手は住んでいるのだから、再度配達して欲しい」と頼むと、局長が「では再度切手を貼ってください」と言う。私が「どうして?」と聞くと、「そういう規則になっている」とのこと。
調布市にある貸家に問い合わせの電話が入った。インターネットの広告を見ての反響で業者さんは介していない。 問い合わせで電話してきた時から口の利き方が横柄で感じが悪く、終わってみれば「やはりそういう結果にしかならない客であったか…」という結末になった。現地も見てもらい、気に入って申し込みもしてもらったが、いろいろ条件を付けられた。
先日、ある退去者の引っ越しに立ち会った。私の賃貸仲介管理業23年の中で、それは最悪のものになった。引っ越し後の室内の様子ではなく、立ち会いに来ていた連中(5~6人の男)が、である。 退去したのは88歳の老婦人。本人はもう移転先に行っていて不在。到着するとリーダー格と思しき50歳前後の男が「長い間お世話になりました」でもなく、自分は名乗らないままいきなり、「あなたの従業員証明書を見せてください」と言う。「客が見せろと言ったら直ぐ見せるよう宅建業法で決まっていますよね。明らかに違反ですよね」とも。
昨年秋から当社で管理するアパートに入居している若い女性がいる。出来たばかりの不動産会社に勤務するとかで地方から出てきたのだが、その会社が呆れるほど阿漕(あこぎ)だ。 当社の募集物件に問い合わせてきてくれるのは有り難いのだが、やたらADを付けることを要求する。私の一存では決められないし、家主さんにADを付けてくれるようお願いする気もない。最近の賃貸市場がそうなっていても、私は「ADは邪道、ギリギリで違法性が無いとしても限りなく黒に近い」と思っているからなのだが、先日も社長から電話があって「オタクの物件、AD付けられませんかねえ。たとえ50%でもADが付いてないと、こっちも張り切って客付けしようという気がなくなるんで」と言われたが断った。
これから結婚する、という若いカップルが来店した。礼儀正しくてなかなか感じが良い。予算は厳しいが、立川駅からの徒歩圏で2部屋を希望していた。無いワケではないが、紹介できる物件の数は少ない。そのうちの1件に、古いけど予算から考えればそこそこ、という物件があって、見てもらうことになった。 たった1件の物件だけ見せて決めてもらうのは不本意だが、現状ベストの物件ではあった。予算があれば好きな物件を選んでもらうことが可能だが、予算が少ないケースでは、「お客さんの希望条件に合わせて物件を探していた」なら、決まるものも決まらない。その場合は「お客さんの希望を物件に合わせていく」ことになる。言うのは簡単だが難しい。
当社管理物件の募集中の空室の給湯器の水道管が破裂した。先日の底冷えした朝、室外に設置されている給湯器の水道管から水が溢れている、との連絡を隣室の入居者から受け、急いで見に行ったのだが通路は水浸しになっていた。幸い水量は少なく大事には至らなかったが、家主さんに報告の電話を入れた。
一昔前の出来事だが、当社の管理物件に、客付け業者から問い合わせがあった。「実は、外国人の方で、日本語はあまり話せないのですが、ご紹介可能でしょうか?」と聞く。「家主さんは、外国人という理由で断る方ではありませんので、日本人の連帯保証人が付けられるなら大丈夫ですよ」と言うと、「日本人の保証人は用意できるのですが、もう1つ、先にお話しておかなければならないことがあって」と言い、話がまどろっこしい。
1カ月前、今は満室のアパートに同業者から問い合わせが入った。直ぐ退去する予定の人がいたので、退去が決定したら連絡する約束をして、後日電話したのだが、間違えて一般家庭に電話してしまったか、と思うくらいの雰囲気。かなり高齢な爺さんが、「あ、はいはい」と電話に出たきり社名を名乗らない。間違いなくその会社だったのだが、社員は全員出払っていたようで、用件を言っても理解されない。
顔なじみの某デパートのマネキン(試食販売員)さんから同僚の部屋探しを依頼された。「同僚が部屋を探してて、ちょっとワケありなので相談に乗ってあげてくれるかな?」と言う。ご本人を紹介してもらうと、バツイチの女性で男の子が1人。今度小学校に上がるのだが、通わせたい学校の学区と空いている学童保育所との絡みで部屋選びが難しくなっているようだった。
賃貸の仕事の用事で同業者に行く機会は多いが、その応対は千差万別で面白い。初めて訪れたり、何度も鍵を借りに行っていて今まで一度も成約に至ってなくても「いつもお世話になっております。よろしくお願いします」と愛想良く鍵を渡してくれる業者もあれば、無造作にキーボックスから出して「はい、これ」としか言わない業者もある。当然に、こちらも熱心さが違ってくるというものだが、そういうことに無頓着な業者は多いもの。
当社の募集物件に他の業者さんから申し込みが入った。内容は中年の独身女性で、今まで伊豆の旅館で仲居をやっていたが、元々の地元の多摩地区で暮らしたいということで、まだ多摩での就職先は決まっていなかったが、若いし、働く意欲があるのであれば、ということで審査を通した。契約に訪れた女性はおとなしそうな感じで、特に問題はなさそうでホッとしていたのだが、入居して直ぐこんな電話が入った。
うちの街に500円ランチの店がある。夜は居酒屋だがワンコインで10種類の定食が食べられるから常に混んでいる。ライスもおいしく大盛りも無料。味噌汁とサラダが付いて、おかずの量も多いからリピーターでにぎわっている。先日、「注文の品が出てくるのが遅い。店長を出せ」と文句を言っている客と遭遇した。
先日、当社の管理物件で古くて小さな貸家に入居している女性から電話があった。「職場の近くに引っ越そうと思っているのですが…」とのこと。職場の近くに、と言っても今だってドア・ツー・ドアで30分以内である。他に何か事情がありそうだと思い、じかに会って話を聞いた。すると、通勤の便より家賃がキツクなっているのが本音だったようだ。
昭和58年の新築当時から当社の管理物件に入居いただいている独身の女性がいる。私と同年輩でキレイで人柄も良いのだが、ずっと独り身である。 更新契約の際には「もし家賃の値上げが必要であれば遠慮なく言ってくださいね。私は構いませんので」とこちらを気遣ってくれたりもする極めて珍しい入居者でもある。数年前、失業したと聞いたので、契約の途中ではあったが家主さんと相談して3000円の値下げをした。新しい入居者の賃料のほうが安い、という状況になっていたので、それで賃料のバランスが取れることになって私としても安心した。そうしてやりたいと思わせた入居者の人徳だろう。
管理させていただいている家賃3万円の風呂なしアパートの入居者、といっても去年の暮れから所在不明で荷物は置きっぱなしになっていたのだが、連帯保証人に連絡すると「そちらで荷物を処分していただけないか」と。「そんなことは出来ませんよ。本人が帰ってきて訴えられたらこちらが負けますから」と断った。
管理物件に20歳前の青年から入居申し込みが入った。別のアパートの入居者からの紹介で、聞けば家族は本人を残して全員が海外に移住しており日本にはいない。本人の仕事はビルの清掃メンテナンス。根は真面目そうだし、日本にいて大企業に勤める伯父が連帯保証人になってくれるので、審査を通し契約することになった。だが、本人には社会人として致命的な欠陥があった。