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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(2026/05/26〜2026/06/01)

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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(2026/05/26〜2026/06/01)

Pick Up!

  • 本紙調査 2025年度通期 売買仲介実績
  • 日本郵政グループ 総合デベトップ10入り目指す
  • 三井不動産 初の高層木造ビル

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事をピックアップします。1位は、「本紙調査 2025年度通期 売買仲介実績 大型化進む中古流通市場 富裕層需要続く、都心高額帯に選別感(2026/5/26号)」です。今回の調査では、東急リバブルが手数料収入で初めて三井不動産リアルティグループを抜いて取扱高で3年連続1位となっています。三井不動産リアルティグループは2位となり、三井不動産販売時代からおよそ40年にわたり1位に君臨してきましたが、初めてトップの座を明け渡したことになります。3位は、住友不動産ステップ(旧住友不動産販売)です。

 以前は、三井、住友、リバブルの順番でトップ3を形成してきましたが、ここ数年、リバブルが目覚ましい追い上げを見せてきました。半面、住友不動産ステップが勢いを欠いて3位に甘んじるようになりました。とはいえ、住友不動産ステップも業績は好調に推移。住友不動産は、2026年3月期決算発表で仲介部門が業績をけん引したと説明しています。このほか、野村不動産系の仲介会社や銀行系の仲介会社、法人取引に強い仲介会社は相変わらず好調に推移しています。これら上位層に共通するのは、富裕層系や投資家系、企業系の取引が活発であることです。

 ただ、最近は、買い取り再販事業に力を入れる仲介会社が増えています。中古マンションなどを仕入れてリノベーションを施して再販するものなので、売れなければデベの新築販売と同様に在庫と化してバランシートが重くなります。中東情勢により、商材等が手に入らなければ工事は進みません。リノベができず予定していた販売計画がずれ込むケースも想定されますので、リノベ再販にどの程度軸足を置くべきなのかも仲介各社は必要かもしれません。

 次に挙げるのが2位の「日本郵政グループ 総合デベトップ10入り目指す 不動産を「新たな収益の柱」に(2026/5/26号)」になります。日本郵政の不動産事業の利益は2025年度239億円、これを28年度280億円、将来的に500億円超を掲げています。資産は約1兆円から28年度におよそ1.1兆円、将来約1.2兆円へ拡大し、ROAは2.5%から28年度2.6%、将来4.0%超を目指す計画です。

 日本郵政は新中計「JPプラ2028」で、人口減少、デジタル化、郵便物数・窓口来客数の減少を前提に、ユニバーサルサービスの持続と新規成長領域の拡大を同時に進めるとしています。公式資料でも、不動産事業は「不動産事業及び各グループ横断的サービス」によってグループ価値を高める柱として位置づけられています。これは、不動産強化は「余った土地を売る」話ではなく、郵便・物流の縮小圧力を補う収益源づくりと言えそうです。

 グループには、郵便局・社宅などの土地簿価が約1兆4000億円、うち賃貸事業用不動産は簿価約9000億円に対して時価およそ1兆6000億円であり、 これは会計上、十分に利益化されていない資産が大きいことを意味しています。

 日本郵政は、賃貸事業を基盤に、分譲マンション、回転型事業、マネジメント事業を強化するとしており、具体的には、分譲マンション事業の強化、不動産投資顧問会社の設立、私募ファンド・REIT運用、外部委託業務の内製化などが掲げられています。

 日本郵政の強みは、都心・駅前・地方中核都市にまたがる希少な土地、公共性の高い信用、既存の大型開発実績です。一方で弱みは、民間大手のような用地取得力、商品企画力、リーシング力、分譲販売力、ファンド運用力がまだ発展途上とみられる点であり、トップ10入りを本気で狙うなら、単に保有地を開発するだけでは足りず、外部用地取得共同開発、物流・住宅・ホテル・オフィスの複合開発、ファンド運用まで含めて、「郵政版総合デベロッパー」として自走できる体制を作れるかが焦点となりそうです。

 そして最後に挙げるのが、7位の「三井不動産 初の高層木造ビル 2027年1月竣工(2026/5/22配信)」になります。同社にとって、「日本橋本町三井ビルディング &forest」は、単発の木造ビルというより、脱炭素・日本橋ブランド・オフィス差別化・保有林活用を一体化する実証兼ショーケースと見ることができます。これまで日本橋を重点エリアとして長く再開発してきましたが、これまでは「歴史・水辺・金融・商業・ライフサイエンス」などが主軸でした。今回の木造高層ビルは、そこに「都市の中に森をつくる」という新しいストーリーを加えるという狙いが挙げられます。

 ポストコロナ以降、オフィスは単に机を並べる場所ではなく、「出社する意味」を問われています。三井不動産はこのビルについて、木の香り・手触り・ぬくもりを感じられる空間をつくり、木造オフィスならではの「行きたくなるオフィス」を目指すと説明しています。ここから想起される思惑は、高賃料オフィスの価値訴求を、立地やスペックだけでなく、ウェルビーイング・生産性・採用力に広げること。とくに日本橋・大手町・丸の内周辺ではオフィス競争が激しいため、「木質空間で働くこと自体が企業価値になる」という見せ方は、テナント誘致上の差別化材料になります。

 また、今回のビルは、竹中工務店の耐火木造技術などを使ったハイブリッド構造で、国内初適用の技術も含むとされています。三井不動産としては、まず日本橋の中規模オフィスで実績をつくり、コスト、施工性、テナント評価、維持管理、リーシング、環境認証、投資家評価を検証したいはずです。

 

住宅新報web週刊ニュース記事
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