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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(3月10日~3月16日)

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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(3月10日~3月16日)

Pick Up!

  • コスト増、リターン伸び悩みで首都圏ワンルーム供給は精彩欠く
  • 性的マイノリティカップルの住まい探しに依然高い壁、適切な対応で商機拡大の可能性も
  • 積水ハら異業種3社連携で窓ガラスを「水平リサイクル」実証、資源循環の高度化へ

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。

 まずご紹介したいのは、9位にランクインした本紙1面トップ記事「首都圏ワンルームマンション 新規供給、東京23区は低空飛行 薄れゆく投資妙味が要因(2026/3/10号)」です。コロナ禍でやや郊外へ分散した人流も、近年では都心回帰の動きが鮮明化し、都内の不動産需要も再び上昇の一途。当然、投資用などワンルーム物件を中心に賃貸マンションの開発や取引も活況かと思いきや、実際の供給戸数はほぼ右肩下がり……という実態及びその背景を追った独自記事です。要点は見出しにある通り、投資物件としてのリターンの低下。用地取得の困難化等でイニシャルコストは上がり、管理費等のランニングコストも上昇。金利上昇による影響もあり、事業コストが高まる一方で、実質所得の低迷により一般入居者の家賃負担能力はそこまで伸びておらず、家賃水準の引き上げには限界があります。つまり、実質利回りが下落傾向にあるため、特に個人投資家からのニーズも減退しているという構図です。3月17日に発表された26年地価公示でも、東京圏や大阪圏の地価上昇傾向は継続・拡大しており、都心ワンルームマンションの市場環境は厳しい状況が続きそうな様子。そうした中、動きがあるのは神奈川県の横浜・川崎エリアで、都心は中古マーケットも存在感を放っています。詳細をぜひ本記事でご覧ください。

 次は、4位の「LGBTQカップルの8割、住宅購入『何かしらを妥協』LIFULL調べ(2026/3/12配信)」です。パートナーとの住宅購入を経験・検討した、LGBTQ当事者へのアンケート調査結果を紹介、解説しました。社会的な潮流として、昔と比べれば、性的マイノリティへの配慮の必要性は周知されてきていると思われます。とはいえ実際のところ、それが十分に実践されているとは言いがたいのも確かでしょう。人生の一大事であり重要な基盤となる住まいを取得する際にも、性的マイノリティのカップルには依然として高い壁がある様子です。制度的なハードルもありますが、同調査からは、不動産関連事業者の対応力が不十分あるいは不適切だったケースも読み取れます。他方、「もしセクシャリティに関する制度的・心理的な障壁がなければ、より条件の良い物件を選んでいたか」との設問には、計8割以上の当事者が「(確実に、おそらく)選んでいた」と答えました。つまり、性的指向に起因するハードルを解消することで、購入・検討する住宅の条件が広がる可能性が示唆されています。結果として、よりグレードの高い住宅の購入に結び付くことも十分考えられるでしょう。もちろん、憲法を始め「LGBT理解増進法」(23年6月施行)などの法制度、行政の指針などでも性的マイノリティへの不当な差別は禁じられているほか、社会倫理的な面でも適切な配慮と対応は必須です。しかし、それと同時に、「LGBTQフレンドリー」の表明・実践といった積極的な姿勢は、ビジネス自体の拡大と成長にも貢献すると考えて良いのではないでしょうか。

 最後に、今回5位となった「窓ガラスの資源循環の実証実験を開始 積水ハウスなど3社(2026/3/11配信)」をご紹介します。業界トップクラスのハウスメーカーである積水ハウスと、環境・リサイクル事業を手掛ける東証プライム企業の大栄環境、世界シェア最大級のガラスメーカー・AGCの異業種3社が連携し、窓ガラスを同等品質の窓ガラスへと再生する「水平リサイクル」の実証実験を実施するという国内初の取り組みです。ガラスに限らず、通常のリサイクルは原則として、一次製品よりも品質が低下します。そのため一般的なリサイクル原料は用途が限られますが、同等品質に再生することで、新規原料の使用量や最終的な廃棄物の削減が見込めます。国は現在、カーボンニュートラルの目標達成へ向けて「建築物のライフサイクルCO2削減」に注力していますが、今回の3社の取り組みは、CO2も含めた「建築物の生涯を通じた環境配慮」につながることでしょう。なお、AGCは横浜市とも連携し、こちらも国内初の「公共施設の廃棄窓ガラスの水平リサイクル」に取り組んでおり、25年11月に概要を公表しています。環境対応の技術革新は、国内住宅市場の縮小が続く中で、規制の厳しい欧州や今後の需要が想定される経済成長国等への海外展開において、競争力向上につながる重要な分野と思われます。

 

住宅新報web週刊ニュース記事
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    住宅新報 2026年3月10日号

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