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プレミアム会員限定米国の不動産市場レポート④ アメリカの不動産情報システム、MLSとは、なにか? 不動産流通活性化の鍵!(その3)

政策

米国の不動産市場レポート① 市場が好転 −売却物件数減少のため価格上昇の地域も−

ジェイスン・渡部 Jason Watabe www.watabefudosan.com (日本語)
1953年、横浜で生まれる。20才でアラスカ大学に入学、エスキモー言語学で卒業。
1985年にシアトルに移住。
2004年 シアトル・キング・カウンティー・リアルター協会のダイバーシティー委員長を務める。
2007年 同協会の副会長に当選、2008年にアジア人初めての会長を務める。
2008年 アジア不動産協会・ワシントン州支部を設立。4年間、会長を務める。
2008年以来、全米リアルター協会(National Association of REALTORS)を代表し、現在日本の不動産業4協会への日本大使を務める。
2009年  REALTOR OF THE YEARを受賞。 
2010年 ワシントン州と兵庫県宅建協会との友好協定を結ぶ。

MLS物件情報のページには、基本的な情報である、売り手エージェント・会社・売り手の名前・それらの電話番号・物件住所・広さ・建築年代・固定資産税・売り手エージェントの物件説明・15枚まで掲載可能な物件写真・地図・衛星写真・車庫の駐車可能台数と位置(家の屋内か屋外か)・学校区と小、中、高校の名前・売りに出てからの価格推移・市場に出てからの日数・行政区の情報ウェブにつながるリンクの他に、本稿には全部列挙できないほどの物件情報が掲示されています。新築や中古住宅もすべて掲示されています。

中古住宅の場合は、売り主に電話で物件を見ることができる日時と大まかな時間の許可を得なければなりません。ここで心配になるのが、『どんなエージェントでも売り手に電話ができるので、媒介契約を盗まれるのではないか』と言う事ですが、専任媒介契約期間中は、他のエージェントのセールス行為が厳重に禁じられています。前回のレポートにあるように、MLSのルールは絶対で、ルール違反による会員資格剥奪は業務の失墜に関わるので、エージェントと不動産会社は厳格にルールを守ります。ルールを厳守することが絶対の環境のもとでしか、MLSでの情報共有はありえないというのが、過去数十年の中で生まれた結論です。

例えば、物件が売れないまま専任媒介契約期間が切れた日には、数十のエージェントから売り主にセールス・コールがあることは、極めて常識とされています。専任媒介エージェントは、この様な状況を招かないために予め契約延長を準備するとともに、売り手に対して物件を売ることができるという説得力が要求されます。

ウェブ掲載には最適なMLSの物件情報

物件情報を記載する書類の仕様は、業者用と一般客用にはっきり区別されていて、売り手の個人情報は、業務用のものだけに掲載されています。物件を視察している時にお客様に渡す情報用紙は、一般情報だけです。

MLSへの情報提出の義務は、新築も中古住宅も同じです。中古物件でも、オープン・ハウスは頻繁に行なわれます。売り手が、住んでいる間も家具や私物を整頓し、お客様の来るスケジュールに合わせ、家を空けます。当然、売り手エージェントは、お客様の訪問を予め報告して、週末の訪問が頻繁になれば、外出を薦めます。MLSは、土曜日、日曜日のオープン・ハウスの日時も掲示します。オープン・ハウスは、その家を一般に紹介し、マーケティングを促進するばかりでなく、隣近所の人々の関心を集め、不動産売買に親しんでいただき、同時に不動産業者と将来の売り手との出会いの機会を作りだすもので、エージェントは、率先してオープン・ハウスを行ないます。

MLSは、加盟業者だけの情報であって一般消費者は、直接閲覧することはできませんので、MLS加盟不動産会社が一般消費者を魅了するウェブ・デザインを駆使し情報を公開します。現在アメリカでは、約90%の消費者は、ウェブ・サイトの物件探索から始め、エージェントの選択をしますから、各会社のウェブ・デザインはお客をつかむ重大な役割を担います。1990年にこのシアトル近辺でMLSがオンラインになって以来、情報配布の即時性は、一般消費者をつかむ最も大切な要因であり、この20年でMLS情報は、各不動産会社のウェブに毎10分から20分で自動ダウンロードされています。

MLS加盟会社以外は、MLSとの協定がないので直接ダウン・ロードはできませんので、これらの非加盟会社のウェブサイトは、各エージェントの許可を通すかまたは他のルートで収集作業を行い、広告掲載料を追及したウェブを作り上げます。アメリカでは、zillow.comが有名ですが、MLS非加盟会社の情報には、不完全な情報だけでなく、誤報もありますので、一般の方々には、興味のある情報ではあるものの信憑性に関しては、疑問が残る情報です。

米国の不動産市場レポート④ アメリカの不動産情報システム、MLSとは、なにか? 不動産流通活性化の鍵!(その3)

全米の物件が検索できるzillow.com MLS非加盟では最も有名だ

最近、MLSや各社の情報ウェブは、モービル・アップと言って、スマート・フォンや、タブレット用に情報がデザインされ、不動産業者や消費者を魅了しています。GPSで今居る地点周辺の物件情報をスマート・フォンやアイ・パッドで一瞬にして検索できます。こうした情報は、一般市民に不動産流通を身近なものとして紹介し、物件売買の意欲を更に刺激するツールとして活躍を始めています。同時に各エージェントは、MLSの共通情報をさらに個人ブランド化し、独自性を高めるテクノロジーを会社と共に発掘し、お客との接点を増やそうと努力しています。新聞から電子ニュースへ飛躍的に移り行く時代にあり、不動産物件宣伝競争がIT関係宣伝費用の飛躍的増加に繋がっています。 

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