東京メトロ 不動産事業に活路 鉄道一辺倒経営を転換 都市機能を高める新業態も探る
住宅新報 2025年1月21日 号 1面

鉄道会社の不動産開発事業が盛んだ。六本木ヒルズを超えるとも言われるJR東日本の「TAKANAWA GATEWAY CITY」を始め、JRグループ、大手私鉄各社は所有地を生かした開発で、非鉄道部門の収益向上を目論む。東京地下鉄(以下、東京メトロ)は昨年10月23日、東証プライムに上場を果たした。時価総額は売り出し価格ベースで6972億円。新規株式公開(IPO)としては、2018年のソフトバンク以来の大型上場となった。東京メトロも今回の上場を機に、不動産事業を成長戦略の柱に据え、更に注力していくことを表明している。その背景や課題、進行中の案件などを聞いた。 (大竹公明)
東京メトロの根幹事業である鉄道事業は、テレワークの一部定着で、定期券収入がコロナ禍前より2割ほど減少したものの、都市再開発が進んだことや、インバウンドが戻ってきたこともあり、回復基調にあるという。今後、中国からのインバウンドも見込めるため、堅調に推移すると同社では見ている。
一方で上場を機に、非鉄道部門、中でも不動産部門を強化していくという。その背景を不動産開発第一部事業活用担当の阪本貴也課長は「コロナ禍での大幅な業績低下を経験し、鉄道一辺倒の経営ではいけないという思いが強まった。今後は、不動産や商業施設などの非鉄道部門を伸ばしながら、シナジー効果を生んで更なる成長にドライブをかけていく」と説明する。
同社の営業利益における不動産事業の割合は、23年度決算ベースで5.9%。先行するJR東日本の約15%に比べれば、今は半分にも満たないが、「特に目標値は定めず、鉄道とシナジーを持った開発をしながら利益額を着実に積み上げていく」(同)とし、焦らずじっくりと取り組む姿勢だ。




























