閉館した舘山寺温泉街の高級旅館 打撃を受ける観光地 一般財団法人日本不動産研究所 ニューノーマル最前線 不動産の〝変〟と〝不変〟 第45回 浜松市
住宅新報 2022年3月29日 号 26面
連載: ニューノーマル最前線
21年10月、浜松に衝撃が走った。「ホテル九重」閉館の報道ニュースである。浜名湖に面する舘山寺温泉街にひときわ目立つ大きな旅館が存在している。地元企業である遠州鉄道グループが運営する「ホテル九重」であるが、それが営業を終了し、建物が解体されるということが報道された。なお、建物解体後の跡地活用は未定ということであり、舘山寺温泉街の衰退も懸念されている。
浜名湖畔にある同ホテルは、地上10階建て・86室で、総工費は約100億円と言われている。高級和風旅館のコンセプトで地元では抜群の知名度を誇っており、舘山寺温泉街に立ち並ぶ旅館の中核を担ってきた。同ホテルは新型コロナウイルス感染症の影響により、20年4月より営業を休止していた。コロナ禍以降、舘山寺温泉街にあるその他の旅館は、感染状況を見て、一時的に営業を休止したり、宿泊者数を限定したりという対応を取る旅館はあったが、その中で同ホテルはいち早く全面的に営業を休止していたため、いつ営業が再開されるのか、注目、期待していた人は多かったと思う。
長引くコロナ禍により観光地は大きな打撃を受けており、それは舘山寺だけではなく、全国の観光地が苦境に立たされている。特に昔ながらの大きな箱を持つ大規模な旅館は、団体客の需要の受け皿となり、大きな宴会場やカラオケ、卓球場などのレクリエーション施設が備わった旅館は数多く見られる。昭和や平成初期のころは、職場での団体旅行が盛んで、同ホテルもその需要を取り込んできたと思うが、バブル崩壊以降はそのような需要も減り、そこに来て今回の新型コロナの影響で、団体での旅行から少人数での旅行へのシフトがより鮮明になった。























