マン活に励む管理組合~良好なコミュニティの秘訣~ 稲毛海岸三丁目団地【住み替え編(1)】 千葉市美浜区 「2つの老い」対策 低層階への住み替え
住宅新報 2021年4月20日 号 11面
連載: マン活に励む管理組合
内覧会では、外部からの見学者をはじめ、団地内の居住者も多数参加していました。自分たちの住む団地が、リノベーションによってどのように変わるのか、みなさん興味津々だったのです。その中で、主催者側である管理会社の日本総合住生活(株)(以下JS)の担当者がふと気に留めた会話がありました。それは「私の家は5階だから、ずっとは住めないの……」というものでした。
稲毛海岸三丁目団地はすべての棟が5階建てですが、エレベーターがありません。隣り合う2戸で1つの共用階段を利用する、いわゆる階段室型の建物です。高齢になると5階までの上り下りは相当きつく、長くは住めないかもしれない、と言っていたのです。これを受けて、JSは区分所有者を対象にした住み替えニーズに関するアンケート調査を実施しました。結果、「高齢になってからの階段の昇降に不安がある」「一人住まいになったのでもう少しコンパクトに住みたい」「自宅をリフォームしたいが仮住まいの確保や引っ越しが大変そう」といった声を聴くことができたのです。
JSでは、管理組合と協力して住み替え支援事業を推進することにしました。高齢者の階段の昇降問題を考えるとき、建物の造りからエレベーターを設置するのは現実的でなく、高齢者世帯に低層階へ移り住んでもらうことが最も着手しやすいものに思えます。そこで、JSが1階の空き家住戸を買い取り、高層階に住んでいる高齢者世帯の住戸と相互に売買をして所有権を移転。1階住戸を高齢者が住みやすいようにリフォームした後、高齢者世帯に引っ越してもらい、空いた高層階住戸はJSが若者向けにリノベーションをして賃貸する、というスキームを考えました。
スキームへの参加者
この取り組みに参加したのは、3階の住戸に住んでいたAさん世帯(仮名)。高齢のご夫婦と息子さんの3人家族で、80代の両親は足腰が弱く、介助をしないと階段の上り下りができない状態でした。デイサービスなどを利用するにも階段の昇降は必要で、そのたびに息子さんが介助をするというのも限界に近く、いっそ団地を離れてエレベーター付きのマンションを購入するか、と考えていた矢先に今回の提案があったのです。
(取材年月:20年10月)
【マンション概要】
建物名/稲毛海岸三丁目団地▽所在地/千葉市美浜区▽階数/27棟・5階建て▽総戸数/768戸▽竣工年/1968(昭和43)年▽管理形態/一部委託▽管理会社/日本総合住生活(株)
























