コロナ禍で、住宅ローンや管理費等の支払いにも影響が出始めています。ある管理組合では、アンケートで7%の家庭で管理費等の支払いが厳しくなっていることが分かり、コロナ禍の特別措置として、管理費を3カ月間、修繕積立金を1年間、徴収休止にしたといいます。
管理費会計には余剰金があるので、3カ月ぐらいは徴収しなくても十分やっていける。第1回目の大規模修繕工事を無駄なく実施したので、修繕積立金にはかなりの余裕があるから大丈夫だと判断したのです。
臨時総会で決議
この話には衝撃を受けました。コロナ禍で、収入が激減して困っている家庭があることは、マスコミ等で見ていても、自分が影響を受けないと、マンションの中にも困っている人がいることには思いが至らないのが普通です。もしくは、そんなことまで管理組合が心配する必要はないと割り切るのがほとんどだと思います。でも、このマンションでは、困っている人がいたら捨てては置けないと、迅速に調査し、会計内容を見直して、臨時総会で決議したのです。ほとんどの人が賛成だったといいます。
実は、管理費会計に毎年かなりの余剰金が出て、1年は管理費を徴収しなくてもいいほど余剰金がある場合も少なくありません。それでも、コロナ禍で、厳しい状況にいる人がいるなら余剰金を使おうという発想はなかなか浮かびません。修繕積立金を1年間徴収しないのは大変なことです。でも、修繕積立金1年分ぐらいの金額は、大規模修繕工事を任せきりにしないで自分たちが主体的に取り組むことで浮かせられる金額でもあります。
縁あって同じ建物の中で暮らす仲間なんだから、無関心でいないで、厳しい状況を乗り切れるよう、できるだけのことはしようと思ったといいます。その発想に私は心から感激しました。改めて、マンションは1つの自治体であり社会なんだと思いました。
厳しい状況にあっても、管理組合が、このような対策をすぐに打ってくれたら、なんとか、今を乗り切ろうという元気も出ます。こういう思いやりの文化があるマンションは将来の合意形成に苦労するようなことはないでしょう。コロナ禍で、マンションという社会(コミュニティ)は、試されているのだと思いました。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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