物流と不動産 その間にチャンスあり!(2) 物流不動産ビジネスで〝サブちゃん〟が〝島耕作〟に
住宅新報 2018年5月15日 号 3面

イーソーコ会長大谷巌一氏
前回は、物流不動産ビジネスの優位さを少しご紹介いたしましたが、さっそく読者の方からお問い合わせをいただきました。今回は、物流不動産ビジネスの考え方について、ご理解いただければと思います。
物流不動産ビジネスを一言で表せば「物流施設を基軸とした総合営業」です。物流の業態化に不動産を取り込んだビジネス、と我々は位置付けています。
物流業の営業は、従来お客様である荷主に対し、「(預かる、運ぶ)貨物はありませんか?」と、サザエさんに出てくる三河屋のサブちゃん=御用聞きのような存在でした。
しかし、物流の適用範囲が拡がりを見せ、製造から販売までをカバーするロジスティクスと呼ばれるようになってから、サブちゃんのような受身的な御用聞き営業は成り立たなくなりました。
産業界で不動産を所有しているのは、製造業、不動産ディベロッパー、物流業の順となります。ところが、3位にランキングされる物流業者が保有する不動産の大半は、倉庫など物流用途に限定され、資産として最大収益化する発想がありません。このニッチな部分に私は着目しました。
収益構造を見ると、倉庫業はお客様の資産である貨物を倉庫で預かり、不動産業は土地や建物という空間の開発や賃貸をメインとしています。不動産のスペースを生かして収益を得ている共通点がありますが、権利関係や営業手法は全くの別物です。そこで「双方を融合したビジネスモデルはないのか」、この疑問が物流不動産ビジネスを生むきっかけとなりました。
無限大のチャンス
価値観が異なる物流業者と不動産業者を有機的に結合させることで、多額の収益を得るビジネスチャンスは、無限大と言っていいほど可能性に満ちています。物流と不動産の融合は「1+1=2」に留まらず、答えが5にも10にもなるのです。全産業を足元で支える重要な産業(インフラ)となる物流施設をツールとして使うことで、パラダイムシフトの波に乗ることができ、千載一遇のチャンスがここにあります。
ご存知の通り、不動産業と金融業は不動産証券化により、距離が縮まってきました。金融業界の情報収集力が不動産業界にも流れ込むことで、物流不動産ビジネスにも有利に働きます。「貨物ありませんか」といった受け身の営業から、「どこに貨物が存在し、どこに運ばれるのか」という情報に対し、能動的に触覚が働くはずです。
年々拡大を続けるECは通販事業者、物流を受託する3PL事業者、配送する運送事業者の物流形態を深化させています。そしてファンド各社は、超大型で高機能なEC対応の先進物流施設を大量に供給した結果、従来型の保管型倉庫の空室が出始めました。
物流不動産ビジネスは、これら空いた倉庫を物流用途から切り離し、個性的なオフィスやスタジオにリノベーションを施しています。倉庫リノベーションで収益化させていくことも、物流不動産ビジネスのメニューの一つです。これこそ不動産のスペシャリストの出番ではないでしょうか。確実に言えるのは、物流不動産ビジネスでは不動産業のスキルの必要性が確実に大きくなることです。
情報武装した不動産業が物流業に融合することで、受益範囲が拡大し、御用聞きの〝サブちゃん〟からバリバリ働く〝島耕作〟のような営業スタイルが確立できます。






















