東京都不動産のれん会 不動産業の『礎』築く ~その軌跡と貢献 (7) 生き字引、「不動産は、結局〝人〟」
住宅新報 2017年1月17日 号 12面
東京都日野市の大規模団地。整然とした街並みの一画に居を構える若林武さんは、この団地開発に携わったプロジェクトメンバーの一人だ。また、鎌倉、竜ヶ崎、高島平、桜上水など、戦後昭和30年代から40年代の様々な大規模団地開発を手掛けてきた。当時はすべてが右肩上がりだった日本。「寝ずに仕事に励んだ」と笑顔で当時を振り返る。
学徒出陣で戦場に赴いた若林さん。終戦後、東京駅に降り立った時は、家も近所もすべてが焼け野原でただ呆然と立ち尽くすだけだった。戦争で亡くなった父親の会社「三倉屋商事」の一事業部門を引き継ぐ形で不動産業に参入。世界各国の不動産開発事業を視察で見て回り、スケールの大きさと魅力的な開発内容を可能な限り学んだ。
御年91歳。長年所属していた東京都不動産のれん会は約10年前に退会したが、その誠実で温厚な人柄から「特別会員」として籍を置いていた。長い歴史の中でも、特別会員は若林さんだけだ。























