随想タウンウオッチ(50) 不動産鑑定士横須賀博 認知症対策で重要なこと
住宅新報 2016年4月19日 号 9面
私の家ではお米など重たいものを購入するのは休日に、二人で出かけることにしている。近所に住む高齢者のA子さんご夫婦も仲睦まじく必ず二人連れである。そのご夫婦が最近、家内の入会する高齢者向け体操の会に新たに参加した。
ある日、家内が集金箱の会費が一人分多かったり少なかったりすることがあるとのうわさをA子さんに話したところ、急に顔色を変え御主人と問答したとか。実はA子さんの御主人は認知症で支払ったり、支払わなかったりしたという。以後は、みんなでA子さんを支援するようになった。
3月1日の最高裁判決による認知症患者の鉄道事故裁判で逆転無罪の判決があった。認知症患者のみならずその監督義務者も容易でないことが窺える。翌日の日経朝刊コラムに、認知症患者は「9年後、65歳以上の5人に1人」との記事があった。認知症高齢者は12年に約460万人だったが、25年には700万人に達するとのこと。政府も対策として認知症サポーターの数を17年度末に800万人に増やすとか。それも大切だが、まずは自分と家族とのチームワーク。これがさらに重要だと痛感している。
最近、相続税の節税や遺産分割の話題をよく耳にする。特に気になるのは被相続人(高齢者)の最後の世話は誰がするのかである。多くは長男の妻に任せているが、長男の妻は相続人ではないため、遺産相続において財産の分配は受けられない。その寄与分はどうするのか。また、万が一認知症になったときの対応、その所要資金などについて、家族内の共通認識が特に必要と感じる昨今である。(横須賀不動産鑑定事務所代表取締役)






















