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プレミアム会員限定鑑定士協連レター 活気づく大分市中心部 駅ビルで商店街にも客足

住宅新報 2016年3月8日 号 4面

連載: 不動産鑑定士レター

総合

 今年、JR大分駅ビル「JRおおいたシティ」(以下、駅ビル)が開業して初めての正月を迎えた大分市。商店街は、駅ビルからの流入で、これまでにない客足となりました。人の流れは、明らかに以前と変わりました。

◎目標上回る売上高

 大分市の中心市街地は、JR大分駅を扇の要に放射状に広がっています。

 広げた扇の真ん中にあたる中央通りに、地域一番店(トキハ本店)があり、中央通り背後の中央町・府内町界隈は、古くからの商店街となっています。

 昨年4月16日、その「扇の要」に駅ビルが開業しました。駅ビルは、複合商業施設アミュプラザおおいた(延べ床面積3万6000m2)、ホテル(190室)、温泉施設、屋上庭園からなり、総面積は10万7000m2に及びます。

 業績は好調で、開業から半年間の来館者は、年間目標の1100万人を上回る1400万人超。アミュプラザの月間売上高は18億円前後と推定され、年間目標である180億円を優に上回るペースで推移しています。

 飲食テナントの平均坪当たり月商額は27万円、4階レストラン街では坪月商85万円の店も出現する一方、開業半年を経て次第にテナント間の優勝劣敗も明らかになりつつあるようです。

◎周辺にも波及効果

 東九州自動車道の開通と高速バスの運行開始・増便、大分県立美術館(OPAM)の開館も相まって、隣県宮崎県などからの広域集客にも成果が見えます。

 しかしながら、もともと購買力の限られる大分都市圏の中心に、年間売上高200億円規模の商業施設が新たに加わったわけですから、中心部のみならず、郊外の大型商業施設の客足にも影響が出ているようです。

 中高年層の顧客をもつトキハ本店やトキハわさだタウンは昨年9月以降持ち直しており、明野アクロスタウンもリニューアルが奏功し売り上げの引き上げに成功しているようですが、若年向け物販で直接競合する郊外のパークプレイス大分は、駅ビル開業後苦戦が続いており、有力テナントの撤退などの影響も出ているとききます。

 雇用にも大きな影響が及んでいます。駅ビルに2千人規模のパート雇用が生まれたことで、人手不足とパート時給の高騰が起こり、飲食関連ではいまやパート時給750~800円が最低ラインになりました。

◎過剰ストアの懸念

 大分駅につながる中心商店街のセントポルタ中央町では空き店舗がほとんど解消され、地価も24年ぶりに上昇に転じました(大分<県>5-1、15年地価調査1m2当たり27万円、前年比1.9%上昇)。

 駅ビルが中心市街地の商業核として顧客吸引力アップに貢献していることは疑いありませんが、懸案事項もないわけではありません。アパレル分野についてはオーバーストア化が指摘されるなか、今年10月に駅ビルに隣接して新たな大規模商業施設(延べ床面積1万2400m2)が開業することが決定しました。

 駅北口広場に面した末広町では再開発により商業施設を備えたタワーマンションの建設が検討されていますし、さらに駅前通りの大分パルコ跡地の利用計画の帰趨によっては、オーバーストア状態に一層の拍車がかかる懸念もあります。まだまだ変わる大分のまち。これからも動向を注意深く見守る必要がありそうです。

(大分県不動産鑑定士協会、長野研一)

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