随想タウンウオッチ (43) 不動産鑑定士横須賀博 生産緑地の終末が来る
住宅新報 2016年3月1日 号 10面
私は農家の三男坊としてこの世に生を受け、農家の生活等はいくらか知識を得ている。世田谷の散歩道には生産緑地の指定を受けた500m2以上の農地が点在し、畑の面積や栽培野菜などから収入を試算したり、宅地と比べた場合との価値と固定資産税や相続税の恩典を受けるメリット・デメリットについて思いを巡らせたりしている。そんな農地の一つで、建売住宅の分譲が始まったので気になって調べてみた。
生産緑地制度が始まったのは平成4年。指定を受けてから30年を経過したり、所有者が死亡等で農業に従事できなくなった場合に、所有者は市区町村に対し買取の申し出を行うことができるし、申し出があった場合には特別の事情がない限り時価で買い取ることと規定されている(生産緑地法第10、11条)。
このため、法の施行から30年が経過する平成34年以降は、生産緑地の所有者は一斉に買取の申し出をすることが予想される。だが、財政上の理由から大方は買い取られず、土地は市場に放出されるのではないかという気がする。東京23区の生産緑地は平成25年4月現在、指定件数2217件、合計面積451ヘクタール(136万坪)である。これらの土地が不動産市場に放出されるとすれば地価はどうなるのか。






















