国交省 土地・建設産業局国際課 不動産市場リポート 4 〝リアルテック〟で業務一変
住宅新報 2016年1月26日 号 2面
IT化が急速に進んでいるとされる、米国の不動産業務。国土交通省土地・建設産業局国際課からの紹介により、日米不動産協力機構(JARECO)の和田ますみ情報システム研究員に現地の事情を解説してもらう。
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昨年11月に開催された、全米リアルター協会(NAR)のConference & Expoに出席した。そこでは不動産業者向けのシステムやサービスが所狭しと出展され、会場のあちこちでパソコンやタブレット端末を開き、取引業務をリモートで行うエージェントの姿が見られた。
彼らが利用しているのはMLSだけでなく、マーケティングや顧客管理から契約書の作成、電子サインによる非対面取引、エスクローやタイトル会社の比較・発注まで、取引の各段階で業務を効率化する様々なシステムやツールである。
その仕組みはこうだ。エージェントがMLSに物件情報を登録すると、その情報を元に作成されたチラシが地域の同業者に一斉配信される。それを見た買主のエージェントからメールやメッセージサービスなどを通じて連絡が入り、キーボックスによるカギの無人管理で内覧を実施。契約交渉がまとまると、MLS内の物件情報から契約書類が自動作成され、売主と買主にメールで送信される。両者が契約書の必要事項に電子サインをして送り返すだけで、売買契約手続きをいつでもどこでも非対面で行うことが可能だ。こうしてテクノロジーによる業務効率化で生まれた時間を、エージェントは本来の目的である顧客サービスの向上や新規顧客の開拓に充てることできるようになる。
米国にはRETS(Real Estate Transaction Standard)と呼ばれる、不動産データベースの標準仕様が存在する。民間の不動産コンソーシアムが定めているもので、全米のMLSがこれに沿ってシステムを構築。そのため多くのソフトウェア企業もRETS仕様に準拠し、MLSと連動した新しいサービスを開発している。多様なサービスの誕生が、不動産業界の活性化につながっているのだ。
日本では最近、「FinTech(フィンテック)」による金融分野のIT化がキーワードだ。不動産業界でも近い将来、最新テクノロジーを活用した業務の効率化や、消費者のサービス向上をめざす「RealTech(リアルテック)、(今週のことば)」が業界のトレンドとなるのではないだろうか。




























