随想タウンウオッチ(19) 自動器具と人間性 不動産鑑定士横須賀博
住宅新報 2015年9月1日 号 10面
過日あるホテルに立ち寄ったときの話。私が入り口に立つとドアが開き、中に入るとドアが自動的に閉まる。これらは今更、話題とすべきことではないが、何故かその自動ドアの便利さに疑問を持った。便利な自動器具は無限に伸び続けることになるのではないか、と。
我々の日常生活の上から見ても、お風呂の自動湯沸しをはじめ多くの自動器具が主婦の役割の一部を背負い続けている。そうした自動器具が今後とも創造し続けられるとすれば、いつの日か、人間が持つ感受性を失くしてしまわないか。言葉を換えれば、外界の刺激に応じて生ずる感覚の機能を消滅させてしまうのではないかと思うのである。
そこで気になるのは最近のトイレについてである。人がトイレの個室の入り口に立てば自動的に電気がつき、ドアと便器の蓋が開き、用を済ませば自動的に水によって洗浄され、乾燥後、個室を出れば自動的にドアと便器の蓋が閉まり、電気も消えるという。






















