随想タウンウオッチ(16) 不動産鑑定士横須賀博 軍隊で迎えた8月15日
住宅新報 2015年8月11日 号 14面
昭和20年6月23日、赤紙召集を受けた私は群馬県沼田駅近くの駐屯地に迫撃兵として入隊した。一カ月ほどしたある日、母と姉が面会に来てくれた。母が持参した「オニギリ」を無我夢中でカブリついたこと、面会時間がやけに短すぎたこと、別れる時、これが「今生の別れ」かと、胸を熱くしたことを鮮明に覚えている。
翌々日の夜10時頃、何の前触れもなく沼田駅から汽車に乗せられた。着いた所は千葉県の印旛沼近く、佐倉という地名の古いお寺だった。迫撃砲を持たない迫撃兵であり、竹やぶから切り出して作った竹槍を手にした訓練に明け暮れた。8月15日の朝、小隊長の命令で庭に直立不動の姿勢で整列することを命ぜられ、玉音放送を聞くこととなった。
玉音放送の一語一語は雑音に紛れたが、どうやら日本は戦争に負けたということは理解できた。翌16日、小隊長から「本日をもって本隊を解散する」との宣告を受け、残務整理のためにと、私一人が残された。






















