地域マネジメント学会 「地域」論考 在り方と提言 13 東京とソウルの姉妹都市関係について
住宅新報 2013年7月2日 号 3面
連載: 「地域論考」
姉妹都市とは、文化交流や親善を目的として外国の都市もしくは国内の都市と特別に親密な関係を取り結んだ都市のことをいう。日本は2013年2月28日現在、外国の自治体との姉妹都市提携数が1631件に及んでいる。その内、韓国の自治体と提携した日本の自治体数は143件であり、アメリカ、中国に次いで3番目に多い。東京都とソウル特別市は1988年9月3日に姉妹都市を提携した。日本と韓国との間の姉妹都市提携の中で、東京都とソウル特別市が1番最初に姉妹都市を提携したわけではない。しかし、東京都とソウル特別市間の姉妹都市提携は、歴史的にも経済的にも大きな意味をもっている。姉妹都市を提携して以来、東京都とソウル特別市は、現在まで様々な交流活動を行ってきたが、その主な内容についてふれてみる。
近年の東京都とソウル特別市間の姉妹都市交流は、行政分野の交流、スポーツ分野の交流、教育分野の交流、この3分野が中心となっている。
大都市間の姉妹都市交流には、行政分野の交流が多い。世界的な大都市である東京都とソウル特別市間の姉妹都市交流でも行政分野の交流が多い。実例からみると、東京都とソウル特別市は相互に公務員派遣をしており、現在も東京都にはソウル特別市の公務員が、ソウル特別市には東京都の公務員が勤務をしている。また、両都市間は観光などの民間交流も盛んであるため、公務員派遣の行政分野の交流は重要なものとなっている。それ以外にも、ソウル特別市の視察団が、東京都の先進化された上下水道事業関連や交通システムなどの公共施設を視察することもある。
日本と韓国との間の姉妹都市交流にはスポーツ分野の交流が多いが、東京都とソウル特別市間の交流にも、スポーツ分野の交流が多く行われている。自治体国際化協会の2010年のデータによると、日本と韓国の姉妹都市交流の全208件の内、スポーツ分野の交流が21件で10.1%を占めている。アメリカの自治体とのスポーツ分野の交流は3.4%、中国の自治体とのスポーツ分野の交流は3.7%に過ぎないため、韓国の自治体とのスポーツ分野の交流が10.1%であることは、日本と韓国の姉妹都市交流でみられる大きな特徴だと考えられる。このスポーツ分野の交流は、多くはサッカーの親善試合やジュニアースポーツ団などの民間が中心となって行われている。
最後に、東京都とソウル特別市の姉妹都市交流には、教育分野の交流も多い。教育分野の交流には、高校生が中心となった短期留学生の受け入れがよくみられる。短期留学生の受け入れは、都立・市立もしくは国立学校の間で行われる。東京都は、日韓中高生交流事業でソウル特別市を訪問し、現地の中高校生との交流なども実施している。また、学生美術作品の展示などの交流も行っている。
しかし、姉妹都市交流ということは文化交流や親善を目的とし、あくまで民間を中心に行われることが本来の目的である。従って、行政分野の交流を行う場合でも、文化交流や親善を目的とした行政分野の交流を行うことが必要である。近年の日韓関係では、姉妹都市間の交流中止や断絶も頻繁に起きている。しかし、これは正しいことではない。東京都とソウル特別市の姉妹都市交流だけではなく、日本と韓国の自治体は、姉妹都市提携の本来の目的である文化交流や親善を通じ、お互いの国のことを理解し、協力をすることが今日の日韓関係では最も必要であろう。 (崔寧桓)


























