総合

電子帳簿保存法 紙手続きが残り、業務時間は増加 Sansan調べ

 インボイス管理サービス「Bill One」を提供するSansan(東京都渋谷区)は、全国の請求書関連業務の従事者1000人(経理部門700人・そのほかの部門300人)を対象として、2024年1月中旬に実施した「電子帳簿保存法に関する実態調査」の結果をまとめた。

 依然として「紙文化」が根強く残る状況となっている。特に、「建設・不動産」業界は7割弱の企業が、「運輸・物流」業界では6割強の企業が、それぞれ、紙による請求書を現状でも受け取っている。
 全体として見ると、電子帳簿保存法適用の宥恕(ゆうじょ)期間が終了した2023年12月の直後の今回調査の2024年1月時点で、対応率は8割以上となった。

 ただ、経理部門で月4・5時間、そのほかの部門では月4・1時間と、いずれの部門でも、同法の対応で「業務時間」が増加している実態が分かった。電子帳簿保存法に対応していない企業からは、「取引先から紙の請求書が送られてくるから」や「従業員が不慣れで業務フローの変更が困難」などの理由を挙げている。

 同社Bill One事業部チーフプロダクトマーケティングマネジャーの柘植朋美氏は、「法制度の対応を含め、請求書業務全体をどのように効率化するかが重要になっている。取引先から届く請求書の形式に合わせた運用をする企業が多いが、当社提供サービスは、取引先の業務フローを変える必要なく従前のままに請求書業務をデジタル化できる。その導入活用により、時間やコストの削減、環境への貢献やBCP(事業継続計画)対策の面でも有用なツールとなる」とコメントしている。