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社説 囲い込みはなくなったのか DB導入で更なる公開を

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 先日の東日本不動産流通機構の発表によれば、17年の首都圏流通市場動向は中古マンションが3年連続で前年の成約件数を上回り、過去最高を更新した。流通市場の好調さが見て取れるデータだ。

 こうした中、このところ流通市場では、「インスペクション」「安心R住宅」に関心が集まっている。いずれも今年の4月1日に制度がスタートすることもあり、注目度が増している。

 一方で、聞かれなくなった言葉がある。「囲い込み」「ステータス管理」だ。宅建業者が報酬を両手で受け取りたいために、物件の紹介を拒否し、手元に囲い込んでしまう。この対策として取られたのが、ステータス管理。媒介をしている中で物件がどういう状態かをレインズ上で表示させるもので、売主がその状態を見られる機能もある。導入から2年経ったが、ほとんどトラブルもなく運用されている。また、宅建業法を改正し、購入依頼があったら売主に遅滞なく報告する義務も設けた。これにより、囲い込みがなくなったのだろうか。

 いくつかの宅建業者にヒアリングしたところ、実際まだ囲い込み事例はあるという。一般消費者だと、囲い込みという言葉自体、全く知らないことが多い。(株)不動産流通システムが都内在住の男女500人に「囲い込み」の認知度を調査したところ、約8割が全く知らないと答えている。そこにつけこんで、「精いっぱい買い手を探しています」という体を装い、虚偽のステータスを表示して囲い込みを行っているというのだ。

 もちろん消費者教育が不十分であり、家を買う側にも問題はあるが、プロとしてこうした行為は不信感を呼び、結果、自分たちの首を締めてしまうことになる。話を聞く限りでは、こうしたステータス管理破りをしている業者はごく少数と思われる。他の真面目に実直に取引をしている業者の迷惑となるので、流通市場から退場すべきだ。

 こうした行為が行われてしまうのは、不動産情報の透明性が日本では低いからだ。レインズは、あくまで宅建業者間のシステムであり、ステータス管理によって一部が売主によって見られるにすぎない。ステータス管理の認知度が低いのも首肯できるというものだ。米国では、MLSという様々な物件情報や不動産関連情報を集約し、不動産業者だけでなく、消費者にも開示する仕組みがある。

 日本でも、この取り組みを参考に、「不動産総合データベース」の整備を進めている。物件の過去の取引履歴、成約価格やマンション管理状況、周辺の地域情報など、レインズや行政機関、民間サイトなどの情報を集約したシステムで、国土交通省では18年度中の本格運用を目指している。消費者への情報公開を更に徹底して行うことが、囲い込みの真の撲滅につながる。システムの一日も早い本格運用が待たれる。

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