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プレミアム会員限定マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

連載: Kantei eye

不動産テック・DX

23.75まで改善したが、2012年には23.83、2013年には23.98と直近にかけては再び収益性が低下する傾向を見せ始めている。
掲出391駅の中で新築マンション価格が最も高額だった駅は東京メトロ半蔵門線「半蔵門」の11,790万円で、大手デベロッパーによって分譲された駅近&高額マンションが駅勢圏の平均価格を高めており、また坪単価800万円というミニバブル後の坪単価最高額を更新した超高級マンションも供給されていたことは記憶に新しい。他にも「代官山」(11,126万円)や「永田町」(10,627万円)の2駅で新築マンション価格は1億円を上回った。1億円を超えていた駅は2012年には1駅のみであったが、2013年には4駅まで増えており、直近においても高級・高額マンションの供給が弱含む動きは特に見受けられない。一方、月額賃料が最も高額だった駅は昨年に引き続き東京メトロ南北線「六本木一丁目」の380,094円で、2013年当時の賃料(340,893円)から約11.5%も上昇している。月額賃料が30万円を超える駅は昨年の6駅から11駅へと増加しており、「六本木一丁目」と同じく都心部に位置し賃料水準が高い駅では昨年よりも賃料が上昇する傾向にあるようだ。

2.マンションPERの色分布の傾向

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

各駅のマンションPERを色分けした分布図を見ると、高収益を示す青色(20未満)は2014年には29駅(シェア7.5%)と昨年の47駅(同11.4%)から大幅に減少し、シェアも10%を割り込んだ。これらの駅は主に都心~湾岸エリアおよび川崎~横浜エリアなどに多く分布している。次いで、首都圏平均よりも良好な収益を示す緑色(20以上23未満)は93駅(同23.8%)で、こちらも昨年の113駅(同27.5%)から減少しシェアも縮小となった。主な分布エリアはJR山手線の内側エリアや城北・城東の都心寄りエリア、横浜市中心部となっており、事業集積地へのアクセスのしやすさで賃料水準も相応に高いことが良好な収益性を生み出す要因となっている。
一方、首都圏平均よりも収益性が劣る黄色(23以上26未満)は130駅(同33.2%)と、昨年の148駅(同36.0%)から減少している。基本的に、事業集積地から離れるにつれて収益性も低下する傾向にあるが、黄色で示される駅は住宅地として人気が高い都心寄りのエリアでも多く分布している。また、2013年以降の新築マンションの価格上昇によってJR山手線の内側エリアでも多く見られ始めている。首都圏平均よりも総じてマンションPERが高くなっている赤色(26以上)は139駅(同35.5%)で、上記の区分とは異なり昨年の103駅(同25.1%)から大幅に増加しシェアは約10ポイントも拡大、首都圏で最も大きいシェアを占めるに至っている。これまでは都心南部や城南~東京都下、神奈川県の人気住宅地があるエリアに多く分布していたが、今年は立地優位性が高い都心北部や都心へのアクセスが良好なさいたま市内の駅でも賃料見合いで強気に価格設定された新築マンションの供給が増えたことで、該当する駅数が増加して分布エリアも拡大する結果となった。

集計データの概要
データは全て東京カンテイ独自のデータベースに登録されているものを使用。
集計対象:首都圏【東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県】
近畿圏【大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県】
中部圏【愛知県、岐阜県、三重県、静岡県】
専有面積30㎡未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外
価格:新築マンションの分譲価格を駅別に集計(70㎡換算)
賃料:分譲マンションの募集賃料を駅別に集計(70㎡換算/月額)
集計期間:首都圏:2013年7月~2014年6月
近畿圏、中部圏:2012年7月~2014年6月
単位:マンション価格は万円賃料は円
駅勢圏:駅と分譲マンションとの立地関係は駅毎で比較的大きく異なるため、例えば駅から徒歩10分以内などの制限は設けず、特定の駅を最寄りとしている分譲マンション全てを対象としている
なお、1つの物件は1つの駅のみで集計対象としており、重複集計はしていない

3.2014年のマンションPERランキング

2014年に首都圏で最もマンションPERが低かった(収益性が高かった)駅はJR内房線「木更津」の14.17で、賃料換算では回収期間が首都圏平均に比べて約11年も短い。「木更津」ではアクアライン通行料の値下げによってバス利用での川崎方面への通勤利便性が向上したことや、新たな大規模商業施設の開業などで生活利便性も良化したこともあって居住ニーズが高まっており、「千葉」(103,354円)や「稲毛」(102,538円)よりも郊外に位置しているにもかかわらず月額賃料は138,244円と高水準となっている。

新築マンション価格は2,351万円で首都圏平均(5,048万円)の半値以下と非常に割安であることから、相対的に高収益な駅となっている。例年、ランキング上位には近郊エリアに位置するターミナル駅や都心へダイレクトアクセス可能な沿線の始発駅が多く登場しているが、今年はそれらに該当する駅は「北千住」(19.14)のみとなった。新築マンション価格は前年から約500万円も上昇し、昨年のマンションPER(16.48)に比べると収益性が低下している。このようなターミナル駅や始発駅はマンション購入検討者からも人気で、デベロッパーにとっても近郊エリアの中ではマンション開発のプライム立地であることから、価格上昇局面においては強気な販売価格に設定される傾向にある。このことがマンションPERの上昇につながり、結果的にこれら駅が今回のランキング上位に登場してこなかったものと推察される。

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

対照的に、「中山」(17.24)や「海浜幕張」(17.37)など、月額賃料が15万円に達していなくても依然として新築マンション価格が3,000万円前後と比較的安価に販売されているため良好な収益性を示す郊外立地の駅が数多くランクインしている。
一方、最もマンションPERが高かった(収益性が低かった)駅はJR埼京線「南与野」の37.34で、賃料換算では回収に37年強の期間を要することになる。新築マンション価格は4,801万円と首都圏平均と遜色ない水準だが、月額賃料は107,134円と10万円程度に留まっていることで結果的に収益性は非常に低くなっている。

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

「岩槻」(34.90)や「柏」(33.86)など、郊外エリアに位置し月額賃料が10万円前後の駅において大手デベロッパーの物件や駅近立地の新築マンションが分譲されると賃料見合いでは割高な価格設定となり、今回のように収益性に劣るケースとして登場してくることになる。「半蔵門」(37.22)の月額賃料は都心一等地に位置していることもあって、263,970円と首都圏平均(170,050円)を約10万円も上回る高い水準となっているが、新築マンション価格は11,790万円と隣接する「九段下」に比べて約5,000万円も高かったために、収益性は著しく低下している。「千石」(35.26)も同様で、都心に位置している駅の中には高級マンションの新規供給によってマンションPERが極めて高くなってしまうケースが確認できる。この他、JR中央線や東急田園都市線、西武池袋線の各沿線で人気住宅地を有する駅でもハイグレードな高額マンションの供給によって低水準の収益性となっているものが散見される。

第5回 理系的接客業のススメ お花屋コンサルタント 本多るみさん

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4.分譲価格と賃料水準によるマンションPERの類型

(1)収益性が高くなるケース

パターンA 高価格(6,000万円以上)&高賃料でマンションPERが低い駅

新築マンション価格がいずれも6,000万円以上と高額だが、月額賃料も概ね25万円以上と高水準で、結果的にマンションPERが低く維持される高収益体質の駅である。今回の集計結果では「日本橋」「品川」など都心の商業地エリア、「高輪台」など都心を代表する住宅地エリアに大別される。大半がJR山手線沿線やその内側エリアに位置しており、価格相応の価値を有するエリアとして売っても貸しても問題のない駅が並んでいる。

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

パターンB 圏域平均価格以下&優良賃料でマンションPERが低い駅

首都圏平均価格(5,048万円)以下に留まるものの、月額賃料が13万円~15万円程度の水準にあるため、マンションPERが低くなる高収益体質の駅である。例年、拠点性や交通利便性が良好な近郊ターミナル駅が散見されていたものの、今年はこれら駅での新築マンション価格が上昇し、賃料見合いでの収益性が低下してしまったために登場していない。また、「海浜幕張」「越谷レイクタウン」など長期的な区画整理事業や再開発によって駅勢圏の生活利便性が徐々に向上するケースはこれまで通りに見受けられる。

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

(2)収益性が低くなるケース

パターンC 高価格(6,000万円以上)&相対賃料が低くマンションPERが高い駅

「半蔵門」「代官山」など“億ション”が供給される都心立地の駅、および「多摩川」「経堂」など城南・城西エリアにかけての人気住宅地を有する駅がこのパターンに属する。首都圏平均を上回る賃料水準でありながらも、新築マンション価格が極めて高額であるためにマンションPERも高くなっている。いずれも賃料見合いでは収益性が劣る結果から、これらの駅では出口戦略として専ら売却を選択した方が良い。

マンションPER 2014 Ⅰ.首都圏マンションPER(2013年7月~2014年6月の1年間を集計期間としている)

パターンD 圏域平均価格以下&低賃料でマンションPERが高い駅

新築マンション価格はパターンBと同じく比較的安価な水準だが、月額賃料がいずれも10万円未満と相対的に低い水準のため、マンション価格が賃料見合いで割高になってしまう低収益体質の駅である。「愛甲石田」「東鷲宮」など、ほとんどが周辺3県の近郊~郊外エリアに位置する駅で占められており、現状では戸建中心の居住エリアとなっている。区画整理事業や再開発などによるエリアポテンシャルの向上が見込めない場合には資産価値の目減りも懸念されるエリアと言える。

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