マンションPER 2014 ~本格的な価格上昇による新築マンションの収益性への影響~
連載: Kantei eye
エリアでは大規模タワーマンションの供給が相次いでおり、2020年の東京オリンピック開催に向けてインフラ整備や大規模開発などが進むことによって居住快適性の向上を期待する実需者層をはじめ、2015年からの実質的な相続税の増税対策として購入するケースなどから、戸数規模が大きいにもかかわらず好調な販売状況が続いている。このように、新築マンション市場に再び活況が戻ってきているが、その供給先は依然として都市中心部や郊外ターミナル駅周辺がメインとなっており、供給戸数が増加したとはいえ面的な拡がりまでには至っていない。
首都圏や近畿圏においては、2008年のリーマン・ショック後に新築マンション価格は一時的に調整局面を迎えており、マンションの収益性を表す指標であるマンションPERも低下(収益性が改善)に向かっていたが、ミニバブル以前に比べると依然として高止まりの状況が続いていた。2013年には上記のような高級・高額マンションの供給増加に伴って新築マンション価格は上昇傾向に転じ、再び収益性の悪化が加速することとなったが、それによって直近にかけてのマンションPERにどのような変化が生じたのかについて分析を行った。
●“マンションPER”の考え方と算出の方法
マンションPER(=PriceEarningsRatio)とは、マンション一戸あたりの収益力を算出するために考案した当社独自の指標である。すなわち、マンション価格を“現在の評価額”、月額賃料を“現在の収益力”と考えて、マンション価格が月額賃料の何年分に相当するか(=賃料が永年変わらないものとして何年で回収できるか)を算出している。今回は「三大都市圏の新築マンション」を対象としてその分譲価格と募集賃料を集計し、駅別に平均値を算出した後に、比較を容易にするために専有面積を70㎡に換算した理論値をもってマンションPERを算出している。
マンションPER = マンション価格÷(月額賃料×12)
例えば、マンションPERが24.99であれば、その駅の新築マンション平均価格は駅勢圏賃料相場の24.99年分に相当する(=駅勢圏賃料相場に換算すると24.99年で回収可能)という計算になる。したがって、マンションPERが低ければ収益性が高く、反対に高ければ収益性は低いことになる。マンション維持管理のためのランニングコストおよび税金などの諸費用は考慮していない。
●リノベーションマンションなどの取り扱いについて
賃貸マンションや社宅などが大規模改修され、用途や権利関係などを変更した上で新たに販売される“リノベーションマンション”は、建物としては新築マンションではないので集計から除外している。また、ミニバブル期以降に分譲が増加していた“定期借地権分譲マンション”は、土地の権利関係以外は区分所有の新築分譲マンションであるものの、同一エリアでの所有権分譲物件よりも安価に販売され、結果的に当該駅勢圏の収益性を押し上げる特定のバイアスとなるため、前回(カンテイアイ77号)より集計対象から除外している。同様に、“ケアマンション”に関しても食堂や大浴場などの付帯施設を有するために一般的な分譲マンションに比べてやや高い価格で販売されており、賃貸に供される可能性が低いことから集計対象から除外している。


"Kantei eye"は年4回、不動産マーケットの最新動向をレポートとしてお届けしています。「マンションPER」や「マンションのリセール・バリュー」「マンション価格インデックス」など 東京カンテイ独自のデータ分析によるマンション市況データをご覧いただけます。
» 詳しくはこちら(東京カンテイのサイトへ移動します)

























