都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率 2014 ~年収換算による全国の新築・中古マンション“ 買いやすさ”分析~ Ⅰ新築マンションの年収倍率推移
連載: Kantei eye
2013 年の分譲マンション年収倍率は、全国平均で6.59 倍と2012 年から0.06拡大したものの、0.20 ~ 0.30 程度拡大していた2011 年や2012 年に比べると小幅に留まった。新築マンションの全国平均価格は2 年ぶりに上昇して前年比+ 5.1%の2,862 万円となった一方で、全国平均年収も+ 4.1%の434 万円と前年から17万円増加して2011 年と同水準まで戻したことにより、2010 年以来続く年収倍率の拡大傾向が鈍化する格好となった。ただし、全国平均での年収倍率は6 倍台半ばと依然高い水準で推移し続けており、年収見合いでの新築マンションの買いにくい状況には変わりがない。なお、2011 年には震災や景況感の悪化などの影響でマンションの新規分譲が為されなかった地域は8 県を数えたが、2012 年には4 県、2013 年には秋田県と福井県の2 県まで減少してきており、徐々にではあるが新築マンションの供給状況は復調しつつある。
各圏域の推移を見ると、首都圏の平均年収は前年比+ 2.2%の515 万円と3 年ぶりに増加したが、平均価格は+ 2.8%の4,531 万円と2009 年に記録した直近での最高値(4,486 万円)を更新、上昇率も平均年収の増加率を上回ったことで、2013 年の年収倍率は前年から0.06拡大して8.80 倍となった。平均年収が増加に転じたため、前年からの拡大幅はかなり小さくなったものの、平均価格は依然として上昇基調にあることから、年収倍率は今後しばらく高い水準で推移することが考えられる。近畿圏では平均価格が+1.5%の3,333 万円と2 年ぶりに上昇したが、2011 年に記録した直近の最高値(3,501 万円)には至らなかった。
一方で、平均年収は+1.8%の455万円と4 年ぶりに増加に転じ、増加率自体も平均価格の上昇率を上回ったことで、年収倍率は僅かではあるが前年から0.02 縮小して7.33 倍となった。依然として7 倍台を維持しているが、直近では2011 年の7.55 倍をピークにやや水準が低下しつつある。中部圏では平均年収が+ 4.5%の438 万円と増加に転じたが、平均価格も+4.5%の2,715万円と同率の上昇となったために、年収倍率は前年から変わらず6.20倍となり4年連続で6倍台を維持した。三大都市圏では、平均価格の上昇もしくは高止まり傾向が続いている一方で、平均年収はほぼ全域で増加に転じており、一部地域では新築マンションの買いにくさに僅かながら改善する動きが見られる。首都圏での都県別の動きを見ると、東京都では平均価格が前比+2.4%の6,174万円と2012年に引き続き上昇し、年収倍率が10倍を超えた2009年の平均価格(6,132万円)を上回ったが、平均年収も+2.9%の631万円に増加したことで、2013年の年収倍率は前年から0.05縮小して9.79倍となった。
東京都での新築マンションの供給先は依然として湾岸エリアや都心部を中心とした東京23区に集中しているが、これらエリアでは立地優位性の高さから不動産インフレ局面において開発用地の高騰に最も晒されやすい。また、昨今の建築資材コストや労務費の上昇が新築マンションの販売価格に一段と転嫁され平均価格がさらに上昇すれば、年収倍率が再び10倍を突破する可能も十分考えられる。神奈川県では2012年に都市圏の中で年収倍率が最も大きく拡大していたが、2013年には平均価格が+4.0%の4,665万円と上昇し、平均年収も+3.2%の509万円と3年ぶりに増加したことで、年収倍率は0.06拡大して9.16倍となった。前年には1.33ポイントも急伸していたのに比べると、今年はかなり小幅な拡大に留まった。
年収倍率の拡大傾向は鈍化したとはいえ、年収倍率の水準自体は都道府県の中でも東京都(9.79倍)や京都府(9.78倍)に次ぐ高さを誇っている。
埼玉県では平均年収が-1.1%の458万円と首都圏では唯一減少となったが、平均 価格も-4.9%の3,617万円と2011年の水準まで低下したことにより、年収倍率は0.32縮小して7.90倍となった。2009年以来の拡大傾向は一服したものの、8倍前後の水準は維持しており、依然高い水準であることに変わりはない。千葉県では平均年が+3.6%の464万円と、東京都や神奈川県と同じくやや戻した一方で、平均価格が+10.7%の3,667万円と大幅上昇したために、年収倍率は 0.51拡大して7.91倍と前述の埼玉県とほぼ同水準となった。このように、首都圏では埼玉県を除く地域で平均年収の増加が確認されたが、新築マンションの平均価格は引き続き上昇基調にあり、新築マンションが買いにくい状況の本格的な改善には至っていない。


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近畿圏においても一部で平均年収の増加によって新築マンションの買いにくさが若干緩和されている。大阪府では平均価格が前年比+2.4%の3,503万円となったが、平均年収が+7.1%の530万円と4年ぶりに増加に転じ、増加率が平均価格の上昇率を上回ったことで、2013年の年収倍率は前年から0.30縮小して6.61倍となった。大阪府での年収倍率は2010年に直近のピーク(7.79倍)を記録して以降は縮小傾向となっており、2013年時点ではミニバブル前の水準まで戻している。また、滋賀県でも平均年収の増加によって年収倍率は 0.40縮小して6.39倍となったものの、2011年以降は6倍台での推移が続いている。兵庫県と京都府では平均価格と平均年収がともに前年比マイナスとなったが、年収倍率自体は引き続き拡大しており、兵庫県では0.10拡大して7.95倍、京都府では0.23拡大して9.78倍となった。どちらも年収倍率はミニバブル期に比べて高い水準を維持し、特に京都府は全国の中で最も年収倍率が高い東京都に年々漸近してきており、2013年時点では遜色ない水準に至っている。奈良県や和歌山県は主に平均価格の上昇によって年収倍率が拡大しており、中でも和歌山県では平均価格が+9.3%の2,615万円と比較的大幅に上昇したことで、年収倍率は0.43拡大して6.49倍と2009年に記録した最高値(6.20倍)を更新した。
中部圏ではいずれも平均年収が増加しており、特に増加率が大きかった愛知県や静岡県では拡大傾向にあった年収倍率が縮小に転じている。愛知県の平均価格は前年比+2.8%の3,139万円と4 年連続で上昇しており、名古屋市中心部や人気住宅地にマンション供給が絞り込まれている状況が反映されている。一方、平均年収は前述の通り+7.3%の456万円に増加したことで、2013年の年収倍率は前年から0.30縮小して6.88倍となった。年収倍率の拡大傾向は一服したものの、水準自体は7倍前後と新築マンション購入のハードルは依然として高い。静岡県では平均価格が下落した上に平均年収が増加したため、年収倍率は0.68縮小して6.42倍となった。岐阜県や三重県では平均年収の増加が僅かだったのに対して、平均価格はともに 200万円を超える上昇幅を示したことで、岐阜県では5.52倍、三重県では5.94倍と、それぞれ0.40超の拡大となった。


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