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プレミアム会員限定政令市指定から四半世紀 仙台市マンション開発の歴史と特徴 ~震災後急激に変化する市場動向と被災マンションの2次調査結果~ Ⅲ.仙台市 行政区別中古マンション市場の動向

連載: Kantei eye

不動産テック・DX

Ⅲ.仙台市 行政区別中古マンション市場の動向

(1)流通事例数

中古マンションの流通事例数はマンションストック戸数の増加に伴って、年々増加傾向にある。仙台市では概ね毎年増加し続けて2010年には9563件と1万件に迫る水準まで増加していた。しかし、2011年以降直近にかけてはむしろ流通事例数は減少する傾向にあり、2012年には6063件と直近のピークであった2010年の2/3程度まで減少している。
比較参考のため三大都市の流通事例数の推移を見ると、いずれも直近にかけて増加傾向が続いていることから、2011年を境に事例数が減少する動きは仙台市特有の現象であるようだ。仙台市はストック戸数もさることながら新築マンションの供給戸数自体も三大都市圏に比べて少なく、マンション購入のパイは人口100万人を超える都市としては決して大きくないと言える。このような状況下で、仙台市では2011年の東日本大震災を経て、戸建に比べて耐震性に優れるマンションへの居住ニーズが高まったことで、当時中古市場に流通していた物件が成約に至るケースが増加したことや、さらなる価格上昇を見込んで売り控えるケースも多くなってきたことで、市場流通する事例数の減少に拍車が掛かっている。

仙台市 築年数別中古マンション流通事例シェアの推移

 

 

※この記事内の文章・図表の著作権は東京カンテイに帰属します。二次使用については東京カンテイの許諾が必要です。

行政区ごとに流通事例数を見ても、市全体の動きと同様概ね2010年にピークを迎えて翌2011年以降は減少に転じている。事例数のシェアは青葉区で40%強、宮城野区と太白区で15%強、若林区と泉区で10%強となっており、中古マンション市場の流通事例数は各行政区のマンションストック戸数に概ね比例している。
次に、築年数別の中古マンション流通事例シェアを見ると、毎年築年数が古い事例のシェアが拡大しており、平均築年数は経年により当然のことながら毎年1年程度古くなっている。仙台市は例年新築マンションの新規供給が決して多いとは言えず、基本的には中古マンションの平均築年数が進みやすい状況にある。築15年以内の合計シェアは2002年には69.7%と全体の2/3強を占めていたが、年々シェアは縮小していき、2012年には32.5%と1/3弱までシェアを減じている。ただし、そのような中でも「~築5年」のシェアは6%程度を維持し続けているのが興味深い。一方で、築15年超の合計シェアは拡大し続け、特に「築30年超」のシェアは10年前の2002年には0.6%だったが、2012年には16.7%まで拡大しており、年々中古マンション市場での存在感を増している。

仙台市 中古マンション流通事例数の推移

 

 

仙台市 中古マンションデータの推移(平均価格・専有面積・坪単価)

 

 

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(2)価格および専有面積

仙台市の一戸平均価格は2002年に1,401万円を記録していたが、その後は下落基調で推移し、2003年の1,400万円割れ、2007年の1,300万円割れを経て、2010年には1,234万円と直近の最低水準となった。新築マンション市場ではミニバブル期に平均価格が上昇する動きが見られたものの、中古マンションではそのような動きが生じていなかった。2011年に入ると東日本大震災を経てマンションに対する居住ニーズが高まったことで、平均価格は1,309万円と反転上昇して5年ぶりに1,300万円台を回復、翌2012年には中古流通物件の品薄感から価格上昇に拍車が掛かって1,486万円まで上昇し、直近では最も高い水準となり、さながら“震災特需”の状況にある。行政区別での価格水準を見ると、マンションストックの築年数が比較的浅い太白区や泉区では高めとなっているが、それ以外の行政区では新築と同様に青葉区、若林区、宮城野区の順に価格相場が下落する。

仙台市 中古マンション価格および専有面積の推移

 

 

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坪単価の推移も平均価格と概ね同じような推移を示している。2002年に66.6万円を記録して以降は2010年まで下落基調で推移し、坪単価も60万円を下回る水準まで低下していたが、2011年には61.7万円と反転上昇して翌2012年には70.5万円と70万円を突破した。新築マンションに対する中古マンションの価格比率(=中古マンションの割安感)を見ると、2009年の44.2%に至るまでは低下する方向で推移しており、中古マンション価格の割安感が年々強まっていた。しかし、2010年に反転して以降は新築・中古マンションの価格差は縮小してきており、現状では新築マンションに対する中古マンションの割安感は徐々に薄らい できていると言える。

仙台市 中古マンション流通事例数の推移

 

 

中古マンション流通事例年

 

 

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一方、専有面積は概ね70m²前後で推移しており、流通している中古マンションの専有面積は新築マンションに比べて10m²程度狭くなっている。新築マンションでは5m²前後のレンジで推移していたのに対し中古マンションでは2m²前後と小さく、毎年流通する中古マンションの平均専有面積は極めて安定している。行政区別に2012年の専有面積を見ると、青葉区や宮城野区、若林区では70m²をやや下回る水準であるのに対して、住宅地に立地し競合する戸建と同じように居住性が重視される太白区や泉区では70m²を上回る水準で推移しているが、その差は僅かで、新築同様地域ごとに際立った違いは見られない。(10ページの表参照)築年数別に中古マンションの坪単価推移を見ると、特に築年数の浅い物件は上昇傾向が明確である。仙台市の新築マンションは他の大都市に比べて新規供給が少なく、マンションに対する居住ニーズの一部を、築年数の浅い物件が担っていることも相場を引き上げている一因と考えられる。「~築5年」では直近10年間を通して上昇基調となっており、2002年に87.3万円だった坪単価は2012年には121.7万円と34.4万円上昇し、全ての築年帯の中で坪単価の上昇分が最も大きかった。次いで、坪単価の上昇分が大きかったのは「~築10年」で、2002年の74.3万円に対して2012年には28.2万円上昇して102.5万円となった。価格推移自体は2007年まで概ね横ばいだったが、それ以降は上昇基調に変化している。なお、上記以外の築年帯では2010年までそれぞれ異なった推移を示していたが、2011年以降は揃って上昇しており、その流れは2012年時点においても変わりがない。東日本大震災以降、仙台市内を地域ごとに見ても中古マンション価格が上昇しているが、築年数ごとに見ても全体的に上昇しており、中古マンションの市場流通が減少する中で需給バランスが逼迫し、価格の過熱感が生じる“震災特需”の状況にあると言えるだろう。

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