ひと 経営のバランスを大切に 東証プライム市場に上場区分変更したタスキホールディングス代表取締役社長 柏村雄さん
住宅新報 2026年8月4日 号 2面
連載: ひと

「サッカーと共通項があるのかもしれない」――。小学生時代からサッカーに打ち込み、高校時代が転機に。個性ある部員やチーム内の〝派閥〟を主将としてまとめる難しさに直面し、「勝つことも大事。ただ、全員で同じ目標に向かって努力し、喜びを分かち合うことが好きだった」。その経験が、現在の経営観の萌芽だったのかもしれない。
社会人としての第一歩は、後に経営統合することになる新日本建物への新卒入社だった。「華やかな業界に憧れて飛び込んだ」。研修時の木造住宅の建設現場では、大工たちとの会話や現場監督の仕事を通じ、「家づくりの一通りの流れを間近で学べた。更地から組み上がっていく面白さも感じた。今の投資用不動産開発に役立っている」。人材の配置、先を見据えた段取りや締め切りを意識して成果を出す。組織の運営にも相通じるものがある。
業務管理や経営管理でもキャリアを重ね、企業全体を俯瞰(ふかん)する視点を養った。人事業務の重要性も再認識し、「採用するだけではなく、選んでもらえる会社になるには、自社の魅力を伝え、成長を続けなければならない」と考えている。その考えを形にしたのが、24年のタスキと新日本建物の経営統合によるホールディング化や、6月の東証プライム市場への上場区分の変更だった。
もう1つの柱であるDX関連事業も育て、26年9月期の売上高1000億円を33年に2000億円へ、時価総額も33年に2000億円へ引き上げる目標を掲げる。健全な会社経営にはプライベートの時間も大切。週末は、九十九里浜の波に乗る本格的なサーファーになる。「巣立ち始めた3人の子どもたちを含めて、家庭を支えてくれた家族に感謝している。これからは、会社経営と夫婦だけの暮らしの時間のバランスを大切にしたい」。(坂元浩二)






















