彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇235 流通プロフェッショナル協会5周年 11月に記念発表会 〝良心〟のある業界へ
住宅新報 2026年7月28日 号 13面
連載: 彼方の空
一社不動産流通プロフェッショナル協会(=FRP、真鍋茂彦代表)は今春、創設5周年を迎えた。7月10日に開いた幹部会と各研究会メンバーとの合同会議では主に今年11月5日に開催することが決まった「5周年記念発表会」について意見を交わした。
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FRPは不動産流通推進センター認定の公認不動産コンサルティングマスターと宅建マイスターの資格保有者らによる団体で、代表の真鍋氏はその活動目標は業界の〝良心〟になることだとしている。
では、不動産流通業界における良心とはなにか。その認識を明確なものにするため、FRPが事業の柱に据えてきたのがPPP(プロフェッショナル・プレーヤー・フィロソフィー)講座だ。これは、コンプライアンスの専門家による入門者向け講義(座学)だが、今年度からは新たに「PPPトゥモロウエクササイズ」(TX)を加えた。
TXはPPP精神を習得した会員が、その精神を更にブラッシュアップするためのもの。毎回テーマを決めて5~10人が集まり、冒頭の真鍋氏による問題提起(30分)のあと、ディスカッション(90分)を行うことで良心のブラッシュアップと新たな気付きを促す試みだ。
価格高騰問題
今、不動産市場は一種の閉塞状況にある。言わずと知れた都市部における住宅価格高騰問題である。それは、一般勤労者世帯が住宅取得を諦めざるを得なくなるという由々しき問題である。多くの勤労者世帯の夢であるマイホーム取得をかなえるため、かつては政府と業界が一丸となってその夢の実現を支えていた時代があった。しかし今は1億、2億円超えが当たり前となり打つ手がなくなったのか、政府は無関心を装い、業界は富裕層と投資家向け需要に的を絞ることで収益確保に努めている。こうした現状に対し、FRPの都市問題研究会はこの日、「不動産価格および賃料上昇の要因と社会的影響」と題したリポートを発表した。その中で対策として挙げたのが、(1)住宅供給の拡大(2)建設業の生産性向上(3)実需と投資需要のバランス化(4)若年世帯・子育て世帯への住宅取得支援(5)賃貸住宅政策の充実――の5項目だ。
第一の住宅供給拡大については既存住宅流通市場の活性化にも言及。多少なりとも価格抑制につながるからである。対策としては既存住宅向け住宅ローンの優遇、リフォーム・リノベーション支援制度の拡充、既存住宅の適正な資産評価制度の確立などを訴えている。FRPは不動産流通推進センターと不動産業界に対する政策提言を活動の重要な柱としており、こうした社会問題解決への研究は欠かせない。
FRP最高顧問の竹井英久氏(元三井不動産リアルティ社長、現セゾンリアルティ会長)は「FRPは消費者のために事業者はどうあるべきかを考え続ける団体。存在感のある有意義なシンクタンクでありたい」(本紙6月23日号3面)と語っている。住宅価格の高騰は中間層の住宅取得を難しくしているだけでなく、日本社会の分断化を加速している。住宅ローンを必要としない富裕層だけが買える市場にしてならないことは明らかだ。今こそ、業界が良心を取り戻し、日本の中間層のための住宅市場を取り戻す努力をしなければならない。
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「5周年記念発表会」はPPP講座ダイジェスト、各委員会と研究会による報告など、これまでの活動成果を不動産業界全体にアピールするため初の公開イベントとする。会場は東京西新宿のNSビル18階(アートアベニュー・セミナールーム)で14時から17時まで開かれる。会場と通信のハイブリッド型で参加費は無料。
〝業界の良心〟を標榜する業界団体はめずらしい。しかし現在約60人いる会員の全てが不動産業者がこれから生き残っていくための鍵がそこにあることを信じて疑わないユニークな集団である。
























