古民家宿の物語 日本全国リノベーション 143 跳びしまBASE (下) 島を巡り、人と出会う。宿が目指す未来
住宅新報 2026年7月28日 号 13面
外国人旅行者も注目の宿
近年はサイクリストやハイカーの人気も高く、しまなみ海道ほど混雑せず、昔ながらの瀬戸内の風景が残るルートとして注目を集めている。そのため、宿にも自転車旅の途中で立ち寄るゲストが少なくない。特に特徴的なのが、「島ホッピング」を楽しむ旅行者の存在だ。大崎下島の先にある岡村島までは橋でつながっており、その先は愛媛県今治市とのフェリー航路がある。
また、宿泊者は日本人だけではない。近年は外国人ゲストの利用も増え、現在では宿泊者の約半数を占めるという。瀬戸内海を巡る旅行者やサイクリスト、長期滞在者など、その目的もさまざまだ。
人の縁でつながった
一方で、柳澤さん自身は平日に本業の仕事があるため、宿の運営を全て一人で担うことは難しい。そこでやむなく活用しているというのが「管理人制度」だ。宿では、長期滞在を希望する人に住み込みで管理人をお願いし、チェックイン対応や日常的な管理を手伝ってもらっている。これまでにも全国各地からさまざまな人が訪れ、代々管理人として宿を支えてきた。
もともとは人手不足を補うための仕組みだったが、現在は専属の管理スタッフが見つかり宿全般の管理を任せている。柳澤さんは「全てが人の縁ですね」と笑う。
クラウドファンディングや改修プロジェクト、そして管理人たち。振り返れば、跳びしまBASEは多くの人との出会いによって育てられてきた。
次の世代に託したい
今後について尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「自分がずっと運営し続けることにこだわっているわけではないんです」
もし将来、この場所や島の暮らしに魅力を感じ、跳びしまBASEを引き継いで宿をやりたいという人が現れたなら、託すことも選択肢の一つだと。
大切なのは建物の所有者であることではなく、この場所が生き続けること。空き家だった古民家に再び灯った明かりを絶やさず、次の世代へつないでいくことこそが、柳澤さんの願いなのである。
宿という枠を超え、人と人、人と地域を結び続ける拠点としての未来が広がっている。
宿=跳びしまBASE
住所=広島県呉市豊町大長
ウリ=瀬戸内海のかつての暮らしを体験でき、島巡りの拠点におすすめ























