TISI 自律ロボットが複数階移動 分譲マンションを自動清掃
住宅新報 2026年7月28日 号 8面

居住用分譲マンションへの導入は協業各社で初となる。TISIの『RoboticBase』が掃除ロボットを一元管理する。待機場所を起点に、設定ルートに従って各フロアを巡回する。清掃終了後は自らエレベーターを呼び出して次の階へ移動し、全ての清掃を終えると待機場所へ戻る。オーチス製エレベーターやJ:COMの通信環境など各社技術を組み合わせて実現した(写真)。
TISIビジネスイノベーション事業部ストラテジー&デジタルコンサルティング第1部エキスパートの金枝宏明氏は、「FM(ファシリティマネジメント)業務では人手不足が深刻化し、ロボットを階数ごとに運ぶ手間も労働負荷となっている。エレベーターの乗降まで自律化できれば、課題解消への新たなアプローチとなる。特に高層建物では、導入効果が高い」と説明する。
掃除ロボットの導入により、共用部の清掃品質を安定させる。清掃員が行う場合の掃除機掛け面積の約60%をロボットが代替し、清掃業務全体では約20%の省人化を見込んでいる。単純作業をロボットへ置き換えることで清掃スタッフは、点検や細かな清掃など、人にしかできない業務へ時間を振り向けられる。「アルバイト清掃員など、不慣れな人でも電源を入れるだけで使えるシンプルな操作性と、エレベーター乗降などの複雑な制御を両立できた点が評価された。今回は、6台のロボットが混乱することなく同時稼働できるようにした」(金枝氏)。
今回の物件では、居住者用とは別に業務用エレベーターを活用し、居住者の利便性を損なわない形で導入した。一方で、業務用エレベーターがない既存マンションへの展開や、高層階へのWi―Fi整備などは今後の課題となる。ただ、「実際の分譲マンションで運用を開始したことで、導入のパッケージ化も視野に入れ、蓄積するデータやノウハウを今後の物件で生かしていきたい」(金枝氏)と話す。
5月に本格稼働し、FM業務担当者からは、「クレームや運用上の不具合もない。365日体制で全フロアで稼働させる。居住者の満足度向上と労働負荷軽減の効果が大きい」と評価を得ている。同第1部部長の矢部祐輔氏は「実運用を増やすことが重要。マンションに限らず、様々な施設へ横展開を進める。最先端AIも活用しながら、導入を支援していく」と展望した。






















