第104回「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ アフォーダブル住宅とは何か
住宅新報 2026年7月21日 号 12面

今年になって「アフォーダブル住宅」というキーワードをよく耳にするようになった。この意味をご存知だろうか。
主に低所得者から中所得者に向けた低廉な住宅のことをいう。「低廉な」とは市場価格の2割程度安いもののことである。数年前から都心部の住宅価格高騰がニュース等で取り上げられることが多くなっていた。東京23区の新築分譲マンションの売出価格が1億円を超えるなどが話題になった。
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これらは建材などの原材料価格や人件費、光熱費等の高騰に伴うものであるが、売買のみならず賃貸においても同様の動きとなった。家賃値上げに踏み切る家主が増加し、特に子育て世代を中心に不満や不安が広がっていくのが分かった。
こうした最中に発表されたのが、東京都による官民連携アフォーダブル住宅の供給促進ファンドの発表だった。これは東京都と民間が連携してファンドを立ち上げ、そこに都が100億円を出資して子育て世代等へアフォーダブルな賃貸住宅を350戸供給するものである。東京都ではファンドという手法の他には東京都住宅供給公社(JKK)より1200戸を転用する予定もある。
その後に発表したのが、アフォーダブル住宅を整備するディベロッパーに対してこれを公共貢献とみなし、容積率を大幅に緩和するものである。住友不動産や東急不動産が計画しているものを見ると、アフォーダブル住宅を設けることで容積率が2倍以上になる。
自治体がこういうことをやると民業圧迫ではないかという意見が出るかもしれない。しかし、東京都の世帯数は約777万世帯(住民基本台帳による東京都の世帯と人口・令和8年1月)のため、まだ民間に大きな影響が出るレベルではない。
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筆者が事務局で関わっている日米不動産協力機構(JARECO)で例年開催している不動産市場研究会においては、今年の研究会テーマを「住宅価格高騰とアフォーダブル住宅の可能性 ~東京都の新施策と海外の先進事例からこれからの都市住宅を考える~」として、21人の参加者で今月14日にスタートした。
1回目の登壇者がまさに東京都との官民連携ファンドを受託した株式会社ヤモリの代表取締役である藤澤正太郎氏であった。藤澤氏は三菱商事で海外インフラ事業に携わり、2019年にヤモリを創業された。
講演の内容は素晴らしいものだった。空き家を再生して賃貸する事業を、社会課題を解決するものとして最初から永続的な事業にするための仕組みを構築されていた。
誰でも似たビジョンを描くことはできるが、実践できる人はごくわずかである。次回は藤澤氏の話から得られた気付きについてお伝えしたい。
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【プロフィール】
おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント。リーシングジャパン代表取締役。






















