ニュースが分かる! Q&A モデルルーム 見学と商談を分離 顧客利便と働き方改革を両立
住宅新報 2026年7月14日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

先輩記者 三井不動産レジデンシャルが新スタイルのマンション販売拠点をオープンしたらしいね。
後輩記者 リニューアルした「三井の住まい 新宿サロン」ですね。特徴は何と言っても、モデルルームの「見学」と「商談」を分離している点です。
先輩 というと?
後輩 従来は「見学」と「商談」というのはセットで行われていましたよね。営業担当者がお客さんと一緒にモデルルーム内を見ながら説明するのですが、通常は定休日(火・水・木曜日)には見学できず、週末に来場が集中して予約が取りにくいというのが大きな課題でした。時間も商談を含めると2時間ほど掛かります。
先輩 なるほど。お客さんは往復の時間も考えると一日掛かりだ。
後輩 今回のリニューアルでは、「見学」は予約を取ればいつでも自由に行けますし、「商談」はオンラインを活用して平日を中心にと分けて行うことができます。
先輩 「見学」はお客さんだけで?
後輩 予約時に発行されたQRコードでサロンに入ると、入り口で案内専用デバイスが貸与されます。そのデバイスを使って、自分たちのペースで販売中の複数物件の外観や共用部、眺望などが体験できる大型LEDビジョンコーナーやシアター、コンセプトルームなどを見て回る流れです。中でもお客さんが自ら家具を配置し、実物大の間取りや家具レイアウトを確認できる「住空間体験コーナー」は業界初の取り組みだそうです。
先輩 かなり面白そうだけど、それが顧客の購入決断をどこまで後押しできるかがカギだね。
後輩 たとえば、検討中の住戸の間取り(約50m2)を天井からのプロジェクションで床面に投影できるので、それを参考に顧客自身が家具を動かして空間の広がりを把握したり、ほかの間取りとの比較検討したりすることもできます。
先輩 最新のデジタル技術のなせる業だね。そこまで技術が発達してくれば、「見学」と「商談」を分離しても支障はなさそうだ。
後輩 最近は価格高騰で、マンションの検討エリアが広がっているので、1カ所で複数物件を比較検討できる場が求められています。そして時間調整が難しい共働き世帯が増える中で、効率よく時間を使えるのが魅力ですね。このサロンならば都心で駅からも近いので通勤途中に寄ったり、隙間時間を活用したりもできます。定休日が週に1日となっているので行きやすいですよね。
先輩 そういうことか。忙しいパワーカップルが最近の購入層の中心になっているという話もあるしね。デジタル技術を使った情報収集に慣れている若い世代に向いているよ。
後輩 肝心の「商談」が平日にオンラインでできる点も効いているようです。もちろん、対面も可能です。柔軟に対応できるようです。
先輩 なるほど。「見学」と「商談」を切り離す効果はあなどれないということだ。意外に大きいことが分かるよ。
後輩 このリニューアルの目的は、実はお客さん向けだけでなく、社員のためでもあります。業界初の「営業社員の土日祝定休制」です。
先輩 そういうことか。不動産販売は土日祝日に働くのが当たり前という従来の業界慣習を打破することにもなる。
後輩 この方式ならば子育てや介護のために働く時間に制約がある人でも営業の仕事に就くことができます。
先輩 単なるモデルルーム改装の話と思っていたけど、不動産業界のイメージアップにもなるよね。ところで、この方式は、今後広がると思う?
後輩 単なる〝効率化〟の話ではなく、共働き世帯が増えている今の社会にマッチしているだけでなく、不動産業界での働き方改革にもつながる点を踏まえれば、個人的にはこの方式が今後はモデルルームの主流になっていくと思います。
先輩 夜遅くまで働き、土日も休めないようなつらいイメージが改善すれば、不動産業界で働きたいという人たちも増えるだろうし、〝たかがモデルルーム、されどモデルルーム〟だね。






















