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不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編104 ~畑中学 取引実践ポイント~ 地下・掘り込み式は未掲載に注意「車庫の調査」

住宅新報 2026年7月14日 号 12面

連載: ~畑中学 取引実践ポイント~ 不動産ビジネス塾

総合
不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編104 ~畑中学 取引実践ポイント~ 地下・掘り込み式は未掲載に注意「車庫の調査」

 第一種、第二種低層住居専用地域内で、車庫が住宅と一体的に地下(地階)にある、もしくは住宅とは別に掘り込み式である場合は、原則、建築確認や完了検査が必要であり、建物と一緒に附属建物登記で記載される。理由は用途地域の制限で、車庫は単体で建築ができないからだ。そのため、必ず同じ敷地内にある住宅の附属建物となる。

 なお、掘り込み式車庫とは、道路と敷地に高低差がある場合で、その斜面(擁壁)を削り取り、コンクリートの壁や天井で囲まれた駐車スペースを住宅地面より低い位置に埋め込むようにつくる車庫のことだ。住宅とは構造上別になる。

 この地下車庫、掘り込み式車庫がありながら、建物の登記事項証明書や建築計画概要書に、車庫の記載がない場合は、前述した通り、同じ敷地内に2つの建築物があることになり、建築基準法違反となる。また、車庫の安全性も確認ができないことになるので、売買時には、何かと金融機関から指摘を受け、ローン付けで苦労する場合があるので注意したい。

 概要書での記載が見当たらなければ、増改築の概要書や、稀(まれ)に開発で車庫を設けていることがあるので、関連書類は漁るだけ漁ろう。それでも見当たらず、どうしてもローン付けを行いたければ、建築確認審査機関の法適合検査を受けて合格するしかなく、その上で附属建物の表示登記を行うことになる。かなり手間暇が取られてしまうが、検査合格をすればまだ良い。概要書や、附属建物登記で車庫の記載がないケースでは、車庫の建築時期が昭和の年代と推定されることが多く、そのため、施工状況から安全性が担保されず、検査不合格や、補修必須となる場合もある。費用をかけてこの結果だと、顧客もがっかりすることになる。

 一方で、住宅と一体的な地下車庫で、検査済証がない場合は、原則、増改築や再建築の際に、地下車庫上に建築物を建築することはできないことが多い。そうなると、売買時には、売却しづらい要素だ。

 この地下車庫や掘り込み式車庫の話は、平素、坂や斜面地が多いエリアで、売買仲介をしている方はよく分かっており、何ら問題がないものと思う。

 一方で、問題なのは、筆者もその一人だが、普段は平地の多いエリアで売買仲介をしており、車庫を取り扱う経験が少ない人だ。トラブルに発展することもある。筆者も昨年、掘り込み式車庫がある物件で、建物の登記事項証明書に未記載であった物件があったが、スルーしてしまい、実際に買手が現れ、ローン付けをする段階で、金融機関から指摘を受けて、慌てて是正作業を行ったことがある。注意していきたい。

   ◇  ◆  ◇

【プロフィール】

 はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。

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