estie × スマート修繕 データで投資判断支援 リノベ後の賃料や収益を予測
住宅新報 2026年7月14日 号 8面

不動産ビッグデータを展開するestieと、修繕工事を支援するスマート修繕は、合弁会社『estieスマートリフォーム』を6月1日に設立した。
AI(人工知能)や修繕ノウハウなどを融合させ、リノベーションの意思決定から設計、相見積もり、施工会社の選定、工事管理まで一貫支援する。当面は、アセットマネジメント会社や不動産ファンド、不動産管理会社向けとして、オフィスや賃貸住宅を中心に展開する。
estieスマートリフォーム代表取締役の田中陸氏は、「工事完了までの伴走支援体制をつくるため、業務提携ではなく、更に踏み込んで合弁会社とした」と説明。「データを活用し、工事費のシミュレーション、リノベーション後の賃料や収益の予測、透明性の高い相見積もりや発注プロセスにより、資産の価値向上を後押しする。担当者の従前の各種判断や手続きの負担を軽減し、適切な意思決定を支える」と話す。
サービスの特徴に、施工会社選定時の透明性がある。施工実績や財務状況を毎年の更新時を含めて審査する登録会社からの見積もりを、原則3社から取得する。estieスマートリフォーム取締役の黒柳真介氏は、「各施工会社は、ほかの施工会社が見積もりに参加しているのか分からない。談合を防ぐ仕組みとする。発注者は、価格や施工内容を比較して選択ができる」と説明する。
更には、工事開始後も工事の完了まで「品質管理」を支援していく。
スマート修繕の豊田賢治郎代表取締役社長は、「単純に施工会社を紹介して終わりではない。見積価格もデータを基に適正性を確認する。建築士など有資格者が検査することで、施工品質を担保する」と話す。第三者の立場から、価格と品質の両面を踏まえた発注を支援する。合弁会社では、案件成約時のマーケティングフィーを収益源とし、発注者から料金は徴収しない。
サービスの核は、estieが蓄積する約8万棟のオフィスデータをはじめとする商業用不動産データや住宅関連データにある。市況や需給の動向、地域の特性などを分析し、リノベーション後の賃料や収益を予測する。黒柳氏は、「以前から施工時に『賃料査定もお願いできないか』との相談が多かった。設備の更新や間取りの変更など、投資対効果を踏まえた最適な設計プランを提案する」と話す。田中氏は、「どのようなリノベーションでどれだけ賃料が上がるのか、知見を更に蓄積し、予測分析の精度を一層高めていく。estieとスマート修繕の既存事業にも反映する」と合弁会社とした利点も説明する。
競争力を高める
estie代表取締役の平井瑛氏は、「従来は『本当に賃料が上がるのか』を検証する仕組みがなかった。合弁会社のサービスならば、客観的なデータで裏付けられる。古い物件でも最適に手を加えれば、競争力の高いアセットにできる」と意義を語った。






















