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不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編103 ~畑中学 取引実践ポイント~ 事前確認で契約リスクを抑える「持ち回り契約の注意点」

住宅新報 2026年7月7日 号 12面

連載: ~畑中学 取引実践ポイント~ 不動産ビジネス塾

総合
不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編103  ~畑中学 取引実践ポイント~ 事前確認で契約リスクを抑える「持ち回り契約の注意点」

 持ち回り契約とは、仲介会社を通じて、売主と買主が別々の時間、場所で売買契約を行うこと。手付金授受の処理方法の決定、必要書類の追加があるので、最初の頃は、手続き方法のチェックリストをつくり、一つひとつ確認をして進めていく方が無難と言える。事前準備の徹底が不可欠だ。

 持ち回り契約にも当然、メリット、デメリットがある。対面での売買契約と比較して、(1)売主・買主との契約時間の調整がしやすい、(2)場所の融通も効く、(3)売主・買主とも質問等がしやすい、とのメリットがある。半面、顔を合わせての意思疎通を図った売買契約ではないため、(1)契約条件の理解不足、(2)直接質問ができないことによる物件情報の不足があるため、後日トラブルになることもある。 また、仲介会社としても、売主と買主に、同時に売買契約書の内容を確認してもらえないため、どちらからか異議や、契約書の修正を求められると、対応に手間がかかることも問題だ。最悪は、最初からやり直しをする羽目になる。

 そうはならないように、事前に売主、買主に売買契約書を送り、後日持ち回りになって異議や修正がでないように、説明をし尽くしておく必要がある。手間暇はかかるが、持ち回り契約をスムーズに進めるために必須の作業となる。その上で、手付金の授受方法を決め、必要書類を追加で準備してもらう。

 買主から先に売買契約をする場合は、(1)買主の売買契約→(2)買主から手付金を預かる→(3)売主の売買契約→(4)手付金を売主へ渡し、領収書を取得→(5)買主へ領収書を渡すとなる。

 手付金を振り込みで行う場合は、(1)買主の売買契約→(2)売主の売買契約→(3)買主から手付金を振込→(4)売主の着金確認と領収書の取得→(5)買主へ領収書を渡す、となる。行ったり、来たりと言える。

 売主から先に行う場合は、(1)売主の売買契約→(2)売主から領収書を預かる→(3)買主の売買契約→(4)買主から手付金を預かる、振り込んでもらう→(5)売主に着金確認をしてもらう(振込の場合)→(6)買主へ領収書を渡すとなる。ついては、(1)手付金を預りか、振り込みとするかの決定、(2)振り込みの場合は、買主が、売主との売買契約日に振り込みを行えるのか(別日の対応なら期日設定)、(3)手付金を預るなら預り証の用意、(4)振り込みなら売主の振込先口座の用意、(5)着金確認の方法、これらを決めておくことになる。

 売主、買主のうちどちらを先に売買契約するかだが、一般的には、契約締結に不安定な方を先に行うので、筆者は買主を先に行うことが多い。

売主は、売買価格に納得いっていない場合のみ、先に行う。

   ◇  ◆  ◇

【プロフィール】

 はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。

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