大言小語 管理再考
住宅新報 2026年7月7日 号 1面
連載: 大言小語

防災マニュアルの整備、高齢者や外国人への居住支援、住宅セーフティネットとの連携など、「賃貸管理業」の枠を広げる話題が相次いでいる。どれも「暮らし」に関わるテーマだ。
▼もちろん、管理会社の本業は建物を維持し、オーナーの資産価値を守ることだ。その軸は変わらない。一方、災害時の備えや孤立防止、地域との接点づくりなど、従来は行政や地域コミュニティが担ってきた領域との接点は確実に増えている。人口減少や単身・高齢世帯の増加を背景に、住まいを巡る課題が複雑になるほど、日常的に入居者やオーナーと接する管理会社への期待も増している。
▼とはいえ管理会社が全てを抱え込むべきという話ではない。防災も居住支援もそれ自体が管理会社だけの仕事ではない。だが、オーナー、入居者、行政、地域を結ぶ立場だからこそ最初の相談相手として期待される場面は増える。重要なのは、必要な支援へつなぐ「ハブ」としての機能を果たすことだ。管理会社の価値は、建物を管理する力だけでなく、人や地域をつなぐ力によっても測られる時代になりつつある。
▼賃貸住宅管理業法の全面施行から5年。制度が定着しつつある今、社会が管理会社に求める役割は少しずつ変わり始めている。「管理」とは何を管理する仕事か。建物か資産かそれとも住まいを通じた暮らしか。その問いに改めて向き合うことが、次の賃貸管理業の姿を考える第一歩になる。






















