競売不動産取扱主任者 8月1日より申込受付開始 試験日2026年12月13日(日)

様々な不動産情報が盛り沢山!

プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A 「不動産業ビジョン2030」の論点を読む 後半5年、制度から実装へ

住宅新報 2026年6月30日 号 14面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合
ニュースが分かる! Q&A 「不動産業ビジョン2030」の論点を読む 後半5年、制度から実装へ

 記者 日本不動産学会のシンポジウム(6月12日)では、「不動産業ビジョン2030」の中間レビューが行われました。2019年に産官学でまとめた、不動産業界の将来像を示す羅針盤ですね。

 デスク 人口減少やストック社会への転換を前提に、「不動産最適活用」を通じて個人・企業・地域の価値を最大化することを掲げた。今回は、その前半5年を振り返り、30年までの後半戦をどう戦うかを議論する場だった。

 記者 前半5年はどう評価されていたのでしょう。

 デスク 総じて「一定の成果はあった」という評価だ。国交省の倉石誠司不動産業課長は、賃貸住宅管理業法の施行やDX推進、空き家対策の制度整備を挙げ、「信頼産業としての土台づくり」を進めてきたと総括した。

 記者 後半戦のテーマは。

 デスク 「制度から実装へ」だね。法律や制度は整ってきた。それを地域や事業者の現場でどう機能させるかだ。

 記者 現場の課題として、全宅連の草間時彦専務が4つの論点を提示しました。

 デスク 非常に象徴的だった。(1)宅建業者の担い手不足、(2)DX対応の遅れ、(3)新たなビジネスモデルへの対応、(4)総合相談業への発展可能性――の4点だ。特に地方では小規模・地域密着型の事業者が多く、高齢化も進む。「社長=営業=実務責任者」という会社も少なくない。承継できなければ、その地域で築いてきた信頼やノウハウも失われてしまう。単なる企業の問題ではなく、地域インフラの問題として捉える必要があるという指摘だった。

 記者 DXも課題でした。

 デスク 電子契約やIT重説、AIの活用まで視野に入っている。ただ、対応できる会社とできない会社の差は今後更に広がるだろう。業界全体の底上げが必要だ。 

 記者 新たなビジネスモデルというのは。

 デスク リースバックや有償引取サービスだね。空き家問題や高齢化を背景に、不動産を「整理する」「終わらせる」需要が増えている。従来の仲介中心モデルだけでは対応できなくなっているんだ。

 記者 齊藤広子横浜市立大学名誉教授の「不動産終活」の話ともつながりますね。

 デスク シンポジウムでも実はかなり重要な論点だった。不動産業界はこれまで「どう活かすか」を考えてきたが、人口減少社会では「どうたたむか」も避けて通れない。管理不能な空き家や老朽マンション、利用されない土地をどう終わらせるか。ストック社会での新しい不動産業の役割として提示された。

 記者 エンジョイワークス・福田和則社長の「不動産業5.0」も印象的でした。

 デスク 後半5年のキーワードかもしれない。福田氏は「スイミー戦略」という表現を使った。個社の成功事例やノウハウを業界全体の集合知に変えようとの考え方だ。

 記者 現場では「それは同社だからできる」「金融機関が理解してくれない」「やり方が分からない」という声が多い。つまり、地域再生や空き家活用のノウハウが個社に閉じてしまっている、と。

 デスク だからこそ、業界全体で共有し、再現可能な形にしていく必要がある、と。

 記者 「業際」という言葉も繰り返し出てきました。

 デスク 不動産業だけで完結しない領域だね。福祉、観光、まちづくり、金融などとの接点が広がっている。従来の「開発・流通・管理・賃貸」といった区分では説明できない仕事が増えているわけだ。

 記者 齊藤教授は人材育成も強調していました。

 デスク 不動産業はストック社会に対応した人材を育てなければならない。新ビジネスモデルを担う人材、長く住み続けるためのプランナー、地域をマネジメントする人材。産官学連携による教育や研究の必要性が示された。 

 記者 後半5年はかなり重いテーマが並んでいますね。

 デスク 共通するのは、「不動産を売る業界」から「地域価値をつくる業界」への転換だと思う。前半5年は制度整備。後半5年は実装だ。

 記者 担い手不足、DX、業際連携、不動産終活、人材育成――。これらを現場レベルでどう動かせるか。

 デスク 30年のゴールは単なる市場拡大ではない。不動産を通じて地域や社会の課題解決にどう貢献できるか。その真価が試される5年間になるのではないかな。

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス