ひと 誰もが未来を描ける社会を LGBTQに向け複数企業のマイホーム相談会を企画した 梶川 美久里さん
住宅新報 2026年6月30日 号 2面
連載: ひと

LIFULLが運営する、「住宅弱者」に親身になって相談に応じる不動産会社を検索できるサービス「フレンドリードア」への参画店舗数が今月1日時点で、全国で7000店舗を突破した。賃貸流通会員の30%以上を占めるという。同社は同サービスを19年11月に開始。様々な事情から住宅探しに困難を抱える人々の賃貸領域における課題解決に取り組んできた。今年5月には、LGBTQ(性的少数者)の住宅購入に拡大。複数企業出展型のLGBTQのためのマイホーム相談会を国内で初めて開催した。
「私たちは未来を想像する機会が少ないんです」――イベント発案の原点は、同性カップルへのヒアリングで聞いた一言だった。住宅購入を検討した際、女性同士であることを理由に希望条件に合う物件を紹介してもらえなかったという当事者の体験談に触れ、「異性カップルであれば結婚や出産など自然と将来を思い描く機会があるが、同性カップルにはそうした機会が少ない。マイホーム購入なら未来を想像する機会を提供できるのではないか」と考えた。そこで、まずは実態調査を企画し、実施してみたところ、住宅探しで妥協を経験しているLGBTQは約8割に及ぶことが判明。当事者の抱える「自分たちに合った情報を得る機会の少なさ」と、不動産会社に行くたびに自分たちのことを説明しなければならないといった「カミングアウトのハードル」という2つの課題に行き着いた。「比較検討の段階でカミングアウトを求められるのは大きな負担」と語る。
当日は1日で複数企業を比較できる仕組みを整えたほか、参加企業には事前のD&I研修や対応マニュアルを用意。「店舗に行った時に当事者が傷つくことは絶対にしたくなかった」。出展募集では、「対応体制を整えた上で参加したい」といった声も多く寄せられたという。(小澤美菜子)


























