贈与税制・マンション改修に効果 中間まとめ案で検討結果示す 国交省・住宅税制EBPM会議
住宅新報 2026年6月30日 号 2面
同有識者会議は、住宅分野の主な税制措置について、政策的効果を客観的な根拠に基づき検証する目的で発足。前回の中間取りまとめでは、「住宅ローン減税」を始め、計4項目の措置を主題とし、効果の分析・検証結果を提示していた。その後の会合では、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」と「マンション長寿命化促進税制」(今週のことば)に焦点を当てて議論を進め、今回の中間まとめ案を作成したという流れだ。
3370戸の取得促進効果
贈与税の非課税措置について、今回の中間まとめ案では、「住宅取得・増改築の実現・促進」や「民間住宅投資の促進」に一定の効果が表れていると結論付けた。更に「質の高い住宅の普及加速化」にも貢献しているとの見解を示した。
例えば、同有識者会議の分析によると、同措置により住宅取得資金の贈与額が、一般住宅の非課税限度額である500万円増加(借り入れ額は500万円減少)した場合、月々の返済額は2万円程度減少し、総返済額は840万~940万円程度の減少が見込まれる。こうした負担の軽減から、同措置は住宅取得確率を約14.5%増加させ、新築住宅3370戸(うちZEH水準は2066戸)の取得促進効果があったと推計した。
加えて、1000万円超の贈与を受けた場合は、住宅購入金額も増加。その増加分の使途を住宅性能や居住環境の向上と仮定すると、約24.4%は贈与により〝より良い住宅〟を購入したと見られる。これらにより、民間住宅投資全体に対する促進効果は、約1290億円に上るという。
他方、補助制度など他の支援措置の影響を排除した検証は困難だったことなどから、同措置等の効果をより的確に補足する方法を検討すべきとした。併せて、3月に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)との整合性についても検討していく必要があると指摘している。
管理計画認定取得に寄与
マンション長寿命化についても、複数の指標について「一定程度の効果が認められる」との考えを明記した。同措置は、管理計画認定取得等の要件を満たすマンションが外壁塗装など所定の「長寿命化工事」を実施した場合に、区分所有者の固定資産税を減額するもの。そのため、同有識者会議では「管理計画認定取得に寄与している可能性がある」と判断。併せて、工事実施へ向けた合意形成や、工事内容の充実化にも寄与したものと推測している。
とはいえ、同措置は23年度創設で、適用件数は伸びているものの、効果検証に要する定量的なデータが不足していると指摘。更なるデータ収集や多角的な分析を要すると示唆した。加えて、同措置の活用促進へ向け、制度自体の周知や整理・検討を進めることも必要と書き添えた。
今回の中間まとめ案では、これらの分析結果と併せて、住宅税制のEBPMにおける今後の課題と方向性も提示。「複数の住宅税制の効果をパッケージで評価」する手法の検討に着手し、各措置についても継続的な効果検証に努めるなどして、政策立案に生かしていくよう提言している。今後は、今回の会合で委員から挙がった意見等も反映し、近く正式な「中間取りまとめ」を公表する方針だ。



























