ひと 世界と向き合う仕事で成果 リストサザビーズインターナショナルリアルティ マネージャー 加藤 彩乃さん
住宅新報 2026年6月23日 号 2面
連載: ひと

富裕層の資産は、いま国境を越えて動いている。その最前線に立つ。外資デベを離れリストに移り10年。昨年は、自身最高となる200億円に上る取引高を記録し、社内的にも過去最高クラスの戦績を収めた。大きな支えとなっているのは長年築いてきた顧客との信頼関係だ。リピーターから新たな紹介が生まれ、一人の顧客から複数の相談を同時に受けることは珍しくない。都心の高額マンション売買や海外への資産分散など顧客の人生設計に寄り添いながら提案を重ねる。
活動範囲は広い。ニセコ、軽井沢、沖縄、海外出張……。特定エリアにとどまらず、顧客が求めるものに応じて動く姿勢が成果につながっている。海外から日本の不動産を求める人は「円安だけが理由ではない」という。背景にあるのは日本の文化や暮らしへの強い関心だ。来日する人がホテルではなく自分の拠点を持ちたいと考える。円安は、その思いを後押しする要素の一つにすぎない。一方、日本人富裕層の海外不動産ニーズも変化している。かつてはハワイが中心だったが、今は米欧、豪州、ドバイなど選択肢が広がっている。資産を守るだけでなく人生をより豊かにする場所を探す人が増えたと実感する。
不動産取引で日本の商習慣が通じない場面も多い。それを顧客にどう分かりやすく伝え、納得してもらうかが、この仕事の難しさであり、醍醐味でもある。
幼少期から高校時代まで日米を半々の頻度で行き来して育った。海外と日本の双方を知る感覚は、いまの仕事にも生きている。早朝にニューヨーク、深夜に欧州との打ち合わせが入ることもある。まさに24時間、世界と向き合う仕事だ。
「海外不動産と言えばサザビーズ」。そう顧客に思ってもらえる存在を目指す。
顧客がどこに豊かさを見いだすのか。その選択に伴走する仕事である。
名古屋出身。1988年生まれ、38歳。 (中野淳)


























